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化粧品の脂質源に有望な赤い海藻「ダルス」

伝統的な食品としてカナダやアイルランドで利用されてきた海藻「ダルス」がEPA豊富な脂質源として有望であるという研究成果が9月13日、「Marine Drugs」オンラインに掲載された。

Palmaria palmataは「ダルス(Dulse)」で知られる、おもにカナダやアイルランドで食用とされる赤い大型藻類で、タンパク質や抗酸化物が豊富に含まれる一方、脂質は少ないという特徴から、その健康効果にも注目されている。脂質組成の研究はまだ不十分だが、すでにエイコサペンタエン酸(EPA)が多いことは知られている。今回の研究は、高分解能LC-MSおよびMS/MSを使用した最新のリピドミクスアプローチにより、環境に優しい多栄養段階統合養殖(Integrated Multi-Trophic Aquaculture:IMTA)で養殖されたP. palmataの極性脂質プロファイルを評価し、抗酸化特性をスクリーニングすることを目的とした。

その結果、糖脂質、リン脂質、ベタイン脂質などの極性脂質のいくつかのクラスに属する合計143種類の脂質分子が同定された。最も豊富な脂質種はエイコサペンタエン酸(EPA)で、相対存在量は50%を超えていた。この研究では、IMTAシステムで養殖されたP. palmataが、抗酸化活性を持つ有益な脂質の持続可能な供給源である可能性が示唆された。さらに、食品や飼料、栄養補助食品、化粧品用のEPAが豊富な脂質源として活用できることも示された。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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