【連載】化粧品・美容各社の業績と企業買収②化粧品・美容各社の業績と企業買収 ~資生堂、売上過去最高、海外での売り上げ国内を上回る~
2019.10.8
編集部
資生堂は、プレステージブランド事業を軸に積極的なマーケティング投資を継続しながら、デジタル化の加速や新規事業開発、さらにイノベーションによる新価値創造を進めた。また、日本、中国、トラベルリテール(空港免税店等)を一つの市場と捉え、主に中国を対象としてアジア全域でクロスボーダーマーケティングを戦略的に実施した。この結果、前期(2018年12月期)の売上高は、前期比8.9%増の1兆948億円と過去最高になった。
セグメント別業績は、日本事業についてマーケティング投資を強化してきた中高価格帯のブランドが好調を継続し日本国内の売上げが拡大。加えて、アジア全域でのクロスボーダーマーケティングの強化したことにより訪日外国人向けのインバウンド需要を確実に獲得したことなどから、市場を大きく上回る成長を実現。以上の要因などから、売上高は、前期比9.0%増の4546 億円となった。
中国事業は、「SHISEIDO」、「クレ・ド・ポー ボーテ」、「イプサ」、「NARS」などのプレステージブランドが高成長を持続。また、コスメティクスブランドでは「メイド・イン・ジャパンブランド」の「エリクシール」や「アネッサ」が大きく伸長した。Eコマースは、プレステージやコスメティクスの商品を積極展開したことに加え、デジタルを活用したマーケティングの展開や、中国のネット通販大手との協業の強化などにより、大きく成長した。以上のことから、売上高は前期比32.3%増の1908 億円となった。
米州事業は、メイクアップやデジタル領域への投資を積極的に行い、プレステージブランドやフレグランスブランドが好調に推移。売上高は1317 億円となった。日本、中国、米国など5ヵ国の事業合わせた売上高は、9584億円にのぼる。
トラベルリテール事業(空港免税店等での化粧品・フレグランスの販売)は、旅行者の増加に伴いアジアを中心に市場が拡大している。同社は、トラベルリテール事業について成長余地が大きいことから、グローバルプレステージ領域でのポジションを一層強化することをねらいに、最重要事業の一つとして位置付け新ブランドの導入や店頭対応力の向上、世界各地の空港での広告宣伝など積極的なマーケティング投資を実施。この結果、売上高は、前期比34.7%増の876 億円にのぼる。
ロフェッショナル事業は、ヘアサロン向けのヘアケア、スタイリング剤、ヘアカラー剤やパーマ剤などの技術商材を販売しているほか、日本とタイでは直営美容室も展開している。前期に子会社のゾートス社の株式及び関連資産をドイツのHenkel AG & Co. KGAA に譲渡した影響で売上高は。前期比57.6%減の203 億円となった。
ロフェッショナル事業は、ヘアサロン向けのヘアケア、スタイリング剤、ヘアカラー剤やパーマ剤などの技術商材を販売しているほか、日本とタイでは直営美容室も展開している。前期に子会社のゾートス社の株式及び関連資産をドイツのHenkel AG & Co. KGAA に譲渡した影響で売上高は。前期比57.6%減の203 億円となった。