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植物油と魚油、脂質代謝へ異なる影響

同じ多価不飽和オメガ3脂肪酸が豊富なCamelina sativaオイルと脂肪の多い魚でも、その脂質代謝への影響が異なるという研究成果が611日、University of Eastern Finlandからプレスリリースされた。本研究は「Prostaglandins, Leukotrienes & Essential Fatty Acids」オンラインに掲載されている。

最近カメリナオイルとして日本でも知られるようになったアブラナ科の植物Camelina sativa(和名:ナガミノアマナズナ)は、栄養成分、特に脂肪を豊富に含む植物として古くから利用されてきた。その成分は、心臓血管の健康に有害である可能性のある脂肪酸誘導体の形成を減少させる。また、酸化ストレスからの保護作用もみられる。一方、脂肪の多い魚は、炎症を緩和する脂肪酸誘導体の循環濃度を高める作用がある。

今回の研究は、東フィンランド大学とスウェーデンのカロリンスカ研究所が共同で、43-72歳の男女79人を対象とした12週の介入試験を実施した。毎日の食事の脂肪をカメリナオイルで置き換えるグループ、サケやマスなどの脂肪が多い魚、タラやパイクなどの脂肪が少ない魚を含めた週4回の魚摂取のグループなどに割り付けその効果を比較した。

その結果、カメリナオイルも脂肪の多い魚も、オメガ-6系脂肪酸であるアラキドン酸濃度を低下させた。カメリナオイル摂取グループではまた、アラキドン酸の誘導体である有害なメディエーターも低下していた。脂肪の多い魚の摂取グループでは炎症を抑える誘導体が増加していた。研究者らは「カメリナオイルと魚の脂肪は脂質代謝に大きな影響を与えることが分かった。この研究から、食物脂肪が心血管疾患と2型糖尿病に関連する代謝経路を標的に使用できることを示している」と述べている。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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