【連載】この中小化粧品会社に注目この中小化粧品会社に注目 ①ダリアジェンヌ~ダリア球根化粧品で起業、ふるさと納税記念品に登録~

2020.07.28

特集

編集部

化粧品業界を取り巻く環境がコロナ禍で激変するなか、中小規模の化粧品事業者は「ピリッと辛い味」を出しながら事業に取り組む意欲を活発化させている。すでに多くの中小化粧品事業者は、大手化粧品会社と同様に化粧品事業(ODM、OEM含む)だけを独断的に行っているケースは極めて稀で、医薬事業やヘルスケア事業、食品分野、健康補助食品分野へ参入するなど経営の多角化、複合化を進めている現況にある。また、一時期、活発な動きを見せた異業種から化粧品分野に新規参入する一方、職場で実践してきた経験を武器に独立したベンチャーや女性が社会進出するために化粧品会社を興して起業家するなどの動きもみられる。
そこで、コロナ禍で疲弊し先行きが見通せない状況下を払拭する目的で「ピリッと辛い味」をかもしだす中小規模の化粧品事業者や名もなきベンチャー企業、起業家等に視点を当て独自の技術開発や事業の多角化等に積極果敢に取り組む動きに迫った。

 

連載「この中小化粧品会社に注目」 ①ダリアジェンヌ~ダリア球根化粧品で起業、ふるさと納税記念品に登録~
株式会社ダリアジェンヌ(兵庫県宝塚市)は、花の「ダリア」の球根から作った化粧水や石鹸などの化粧品「ダリアジェンヌ」(商品名=写真)を開発・販売する小規模事業者。
現在、地域活性化商品としてネット通販主体に販売。また、宝塚市ふるさと納税品として登録されるなど、商品の訴求力を図っている。商品のコンセプトは「家族みんなで使える化粧品」―。
現在、ネット通販主体に販売するとともに西谷夢市場や宝塚北サービスエリア等で販売している。また、ホテル等での期間限定展示会などにも出品・展示して販促を図っている。

ダリアの球根を成分にして商品化した保湿クリーム、洗顔料、石鹸などをセットにした自社開発化粧品が2016年宝塚市の「ふるさと納税」の記念品として登録されるなど、地域挙げて事業を支援していることに特異性がみられる。
代表の中村梓氏は 兵庫県宝塚市上佐曽利出身。宝塚歌劇団で活躍後、上京して介護福士として活動。結婚を機に帰郷し、実家のダリア栽培農家を引き継ぐとともに2020年4月に現法人を設立し起業化した。

起業化のきっかけは、ダリアの出荷作業段階で出る廃球(芽のない捨て球)を活用して、天然由来成分配合の無添加にこだわり抜いた自然派化粧品を開発することが契機。
しかし、起業化するにも事業資金が必要。そこで国の創業支援制度に着目して助成金を活用することにした。
地元の商工会議所の指導助言を受けて2019年4月に兵庫県の起業助成制度「若手起業家支援事業」に個人公募し、ビジネスプランが評価されて助成金の認定を受けた。
同助成制度は、起業や第2創業を目指す中小企業、個人等を対象に立案した事業計画を評価して事業化を支援するもの。

創業支援制度は、中小企業庁が法律に準拠して運営しているもの。実際は、地方自治体が助成率を定めて運営している。助成率は自治体によって違いがあるが、新商品開発や販売等にかかった経費の約3分の2または経費の半分程度を助成する仕組み。

同社は、今後の事業の取り組みについて「ダリアの花や葉、根を活用した化粧品やフラワーアレジメント商品等を開発し、地域の活性化に貢献したい」と説く。

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