【連載】この中小化粧品会社に注目(55)マーベラ化粧品本舗(上)~紫根エキス配合化粧品を標榜~
2021.04.28
編集部
マーベラ化粧品本舗(東京都大田区)は、1976年1月に創業した生薬・紫根を基本に作られた自然派化粧品メーカー。
同社は、紫根のエキスを配合した自然派化粧品を錦の御旗にして化粧品事業を展開。また、関係会社の株式会社ビューロ(東京都大田区)がOEM事業を行っている点に事業の特徴がみられる。
同社は、早くから漢方の効用に注目して研究開発に取り組んできた。その中で配含が難しいとされる和漢植物「ムラサキ」の根を指す「紫根」の成分が「細胞増殖作用で肌環境を整え、肌の若返り、肌質改善によるシミ・そばかすを防ぐ作用がある」ことに着目した。
現在、医薬部外品原料規格に紫根抽出物やシコニン(ムラサキ科に属する植物のみが生合成することのできる赤色のナフトキノン系化合物)が収載されており、肌荒れを防ぐ効果、ハリ・弾力などの改善効果等が記載されている。
この化合物の名前は、その原料植物のムラサキの根が「しこん」と呼ばれることに因んでいる。
紫根には、他の成分には無い細胞増殖という作用がある。マーベラ独自の自社抽出紫根エキスを配合した紫根美容原液は、メラニン色素の排泄と生成の抑制の他に紫外線吸収効果をもつ。
同社は、紫紺のエキスを配合した「自然仕立ての化粧品」と銘打って次々と紫根エキス配合の化粧品を商品化した。
これまで紫根エキス配合の化粧品として商品化したのは、ローション、UVクリームなどのスキンケアからメークアップ、ヘアケアを中心にラインナップ。現在、アイテム数は、全部で約70品目に上る。中でも肌の保水、トリートメント用のジュエルタイプ化粧水「クリスタルゼリー」(写真)は、敏感肌対応として好評。また、天然色素ベースのリップスティック「シュルージュ」は、落ちにくい口紅として根強い需要を誇っている。
販売チャネルは、主に、通販、ドラッグストアへの卸販売、訪問販売による対面販売等を行っている。
訪問販売による対面販売は、営業拠点等に配置した化粧品販売員(訪販)がカウンセリングやトータルな美容サービスを提供しながら対面での販売を行っていることに特異性がある。