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糖と脂肪の多い食事が腸の免疫細胞を損なう

糖分と脂肪を多く含む食事がパネート細胞に損傷を与えることを示した研究結果が5月18日、Washington University School of Medicineからニュースリリースされた。研究の詳細は「Cell Host&Microbe」オンラインに掲載されている。

パネート細胞(paneth cell)は小腸に存在する免疫細胞である。パネート細胞の機能障害は炎症性腸疾患の重要な特徴で、たとえば腹痛、下痢、貧血、倦怠感を特徴とするクローン病の人では、パネート細胞が機能しなくなっていることがよく見られる。筆頭著者の同大学病理学・免疫学のTa-Chiang Liu准教授は「脂肪と糖分を多く含む西洋式の食事を長期間摂取すると、炎症性腸疾患を促進し、腸感染症のリスクを高め、腸内の免疫細胞の機能が損なわれます」と述べている。

今回の研究では、パネート細胞の評価を含む400人のデータを分析。高ボディマス指数(BMI)が、顕微鏡下目視によるパネート細胞の異常と関連していることを確認した。この関連をマウスを用いた8週間の試験で実証した結果、健康的な食事を食べすぎてもパネート細胞に影響はないことがわかった。問題となったのは肥満自体ではなく、高脂肪、高糖質の食事だった。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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