農林漁業成長産業化支援機構、6次化ファンドに290億円出資
2013.10.21
編集部
6次産業化を目的としたファンドに出資を行う株式会社農林漁業成長産業化支援機構は、今年2月から9月末までの8ヵ月間で、ベンチャーキャピタル(VC)などと共同で組成したファンド総数と総額が31ファンド、580億円に達したことを明らかにした。この内、同機構が出資したファンド出資総額は、290億にのぼる。農水省は、25年度予算に250億円の予算を計上してファンド出資事業を支援する。
同機構は、農林漁業の6次産業化による国際競争力、経営体質の強化を狙いに6次産業化法(2010年11月成立)に基づき設立した財務省所管の政府系株式会社。国が総額300億円(財政投融資特別会計)、味の素、カゴメ、ハウス食品、キッコーマン、キューピーなど民間企業9社が計18億円の総額318億円を拠出して今年1月に設立した。
今年2月から9月末までの8ヵ月間に同機構とVC、法人企業などが組成したファンド総数は、計31本、総額580億円にのぼる。この内、同機構は、ファンド総額の50%を出資条件にファンドに出資した出資総額が290億円にのぼる。特に、31ファンドの中で、JAグループが100億円規模のファンドを組成した農林水産業協同組合ファンド(農林中央金庫28億9995万円、JA共済連21億円出資。ファンド運営は、農林水産業協同投資株式会社)に50億円を出資したのが目立つ。
同機構のファンド出資事業で投資の対象としているのは、6次産業化を目指して(1)地域資源活動事業(2)異業種連携事業(3)新たな市場開拓事業━の3つの事業に取り組む事業者や団体など。農商工連携による6次産業化に取り組むことで経営体質の強化や国際競争力に繋げる狙い。農水省は、同機構のファンド組成、出資事業を促進するため、今年度250億円の予算を計上し6次化ファンド事業に弾みをつける。