女性経営者連載2・クラブコスメチックス(上) ~訪販を転換しサロン展開図る等経営改革推進~

2021.10.20

特集

編集部

化粧品メーカーのクラブコスメチックス(大阪市、社長中山ユカリ氏)は、3011年4月で創業118年になる老舗企業。1903年4月に中山太陽堂として「クラブ洗粉」や「美身クリーム」などの化粧品雑貨卸を始めたのが起源。1971年に現社名に改称。2002年に現社長の中山ユカリ氏が4代目社長に就任した。生産拠点は奈良・五條工場(1976年竣工)。

同社が社内体制を大きく転換したのは、中山ユカリ氏が社長に就任してからで、事業の改革をドラスチックに進めた。

改革は、消費者ニーズが多様化し、スピード感が求められる経営体制を確立するため、グループの販売会社であった「クラブ化粧品販売」を合併(2005年)して製販を一体化、経営資源を1点に集中させて経営の効率化をはかった。

さらに、訪問販売会社「フル―ベル」からフェイシャルサロン展開(業態転換)に転じた「サロン ド フルベール」を合併(2012年)した。

訪問販売からサロン展開に業態転換したのは、社会構造の変化により、かつてのビジネスモデルが通用しないという現実に迫られたことが要因。
ともあれ、いずれの合併も顧客との距離を近くすることで、ニーズを素早くキャッチし、トレンドの移り変わりが激しい市場に先手を打って柔軟に対応し、事業の効率化に繋げた。

さらに、通販サイトの改革にも踏み切った。フェイシャルサロン店の消耗品購入が簡単にできる消耗品発注の効率化を狙いとした新店舗システムを開発した。

新店舗システムでは、各店舗にマイクロソフトのタブレットPC「Surface」を配布し、販売管理から顧客管理にいたる仕組みを用意し、データを手書き入力できるようにしている。また、新店舗システムの開発に合わせて「統一されたブランドイメージの構築」も図った。

サロン店舗で使用するタオルなどの消耗品は、店舗それぞれが独自に調達していたため、「サロン ド フルベール」としての統一感が出せなかった。そこで、消耗品を一括で調達できるサイトはないかと検討した結果、大手情報通信会社が運営する通販サイト「イールでぃんぐ」の活用をきめた。
「イールでぃんぐ」へのアクセスは、画面にアイコンを置いてそれにタッチするだけでサイトに行けるようにしている。

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