化粧品OEM・ODM各社の「ユーザーニーズに対応するわが社の事業展開」【4】 ゲル化粧品の深堀り・進化でより強固な存在感を~ナユタ(下) 

2014.07.17

特集

編集部

ナユタは、化粧業界初の美容液、化粧水、乳液がひとつになったオールインワンゲル化粧品を他社に先駆けて開発(1987年)するなど業界のパイオニア的存在。創業28年を経た現在でも“ゲル化粧品のナユタ〟として存在感を示し、現在の取引社数は、120社にのぼる。

オールインワンゲル化粧品は、洗顔後に肌を潤して保湿し、栄養を与えて肌を保護することを1回でできる化粧品。また、ゲルとは、液体的な柔軟性を持ちながら固体のような弾力性を発揮する吸水性高分子素材で、自然界の植物や動物の体内に存在しているゼリー状の粘質のこと。特に、ゲル網目の空洞にオイルや保湿成分などを入れることができるため、粘り気のある美容液基材に使われる。

同社がこれまで開発した主なOEMゲル化粧品は、不純物を全く含まない純水80%で作られた低刺激保湿ゲルクリーム、界面活性剤を使わないクレンジングゲル、果汁やエキスを配合したピーリングゲル、ゲルローションパックなど。いずれも水、油分セラミド、保湿成分をバランスよく配合したもので、高い保湿力と簡便性、低刺激が特徴(写真)。来年春にも新商品を市場投入する計画だ。

ナユタ_開発イメージ

「当社は、ゲルのパイオニアとしての自負と永年蓄積した技術・ノウハウを有している。これまでにもゲル化粧品を中心にフェイスケア、ボディケア、ヘアケア化粧品を市場に投入してきた。引き続き、ゲル技術の深掘りを進めて顧客の付加価値向上に繋がる高品質の商品を開発し、ゲルといえばナユタというポジションを一段と強固にしたい」(山崎社長)と意欲を見せる。

こうしたOEM用として開発・商品化したゲル化粧品や天然成分の透明石鹸など自社ブランド商品約15アイテムをグループ会社の株式会社ジェルニック(1995年設立)が販売している。販売形態は、インターネットや紙媒体での通信販売、問屋経由での小売流通ルートなど。「現在、ディーラーを通じた美容室向けが売り上げの半分を占める」(山崎社長)という。

顧客の売れる商品を目的としたサービスの一環としてこれまで蓄積した販売経験やデータ、ノウハウを生かして販促物の作り方やプロモーション活動、販売促進に関する提案、情報の提供などにも力をいれている。同時に、顧客のニーズを吸い上げて新規商品開発に反映させている。

ナユタの事業の特徴は、ゲル化粧品に主眼を置きそれがまた商品開発の個性であり強みともなっている。今後、一段とゲル化粧品の深掘りを行ない進化させて行くためには、研究開発面での強化は避けられない。長期的スパンに立ち技術開発陣を含む技術開発体制の橋頭堡構築が待たれる。

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株式会社ナユタ

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