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海外志向の化粧品企業に「ISO 22716理解促進セミナー」(下)

グローバル市場での成功を目指す上で、国際標準の導入は今後必須となってくる。世界各国の企業が、品質マネジメントシステムの構築や審査などに活用しているISO 9001(品質マネジメントシステム)は、2015年9~10月に改定が見込まれており、今年5月に国際規格原案にあたるISO/DIS 9001:2014が発行されるなど改定作業はほぼ計画とおりに進んでいる。ペリージョンソン ホールディングの桑山俊之講師は、セミナーで今回の改訂のポイントについても説明した。

ISO 9001改定のポイント

今回の改訂のポイントは、Annex SLと呼ばれる附属書の導入。この附属書はいわば、すべてのISOマネジメントシステム規格の基本的な”共通フォーマット”にあたるもの。この附属書の導入により、「トップマネジメントの関与もより強く求められるリーダーシップの重視」、「事前に起こりうることを想定したリスクへの予防措置」「パフォーマ ンス(結果)重視」「利害関係者のニーズや期待の理解」などについて明確に言及する必要が出てくる。

SONY DSC桑山講師(写真)は、 「認証をとろうという企業には乱暴に分けると2タイプある。1つは入札や取引条件として認証さえあればいいと考える企業。もう1つはISO運用の成果を目 的に、経営ツールとして活用して会社の改善を図ろうとする企業」と話し、「トップの意識が高くない企業は認証獲得に苦労することになる。ISO 9001規格改定を契機に、ISO 22716との整合性の向上を図り、ISOマネジメントシステム規格を経営ツールとて活用してほしい」と話した。

さらに重要となるリスクマネジメント

最後にリスクマネジメントへの取組みをテーマに、苦情やクレーム対応の重要性を、「ISO 10002 苦情マネジメントシステム」の概要と特長についても説明した。

ISO  22716には「14.2 製品に関する苦情」の項目があり、適切に運用していれば基本的に苦情に関する大きな問題は発生しないが、同項目では「最低限」の要件を示しているのが現 実。要件を理解し、現実的に運用するためには、「ISO 10002 苦情マネジメントシステム」の知識と理解が必要となる。

ISO 10002は、ISO 9001のように第三者認証を目的としておらず、自己適合宣言できることが大きな特長。しかし、現実には専門機関の評価を参考に自己適合宣言をしている例が多いことなどがあげられた。

桑山講師は、 「事故は、企業規模が小さければ経営を揺るがすことにもなる。事故は隠せない時代でもあり、パブリックメディアだけでなく、SNSなどのパーソナルメディ アの定着でネガティブ情報はすぐに拡散され、訴訟リスクは増大している」と説明。そうした情報化社会の特性を踏まえた上で、「苦情への適切な対応は顧客 ロイヤルティをさらに高める可能性もある。苦情対応は言い換えれば顧客の不満足をマネジメントすることに他ならない」「苦情の内容は誰が判断しても同じ判断ができるようにしておくことが必要」「苦情に対する受付側のスキルを高めるとともに苦情のリスク評価基準を設定することが必要」などと話した。

 

 

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