世界の美容とヘルスケアビジネス情報を配信

FEATURED

注目の企画

BUSINESS

アメリカでは化粧品のサンプル提供が有効的

アメリカでは化粧品などの試供品を定期郵送する“サンプル・サブスクリプション・プログラム”のビジネスが加速してきているが、このほど、米リサーチ会社NPDグループ社は、“サンプル定期契約者の83%がフルサイズの製品を購入する際、サンプル(試供品)から何らかの影響を受けている”という興味深い調査結果を明らかにした。

これは、同社の「2014 Makeup In-Depth Consumer Report」の中からサンプルに対する調査結果を分析したものとしている。サンプル提供のビジネスモデルは、小売業者に潜在顧客との接点をもたらせ、消費者に新しい製品や未知の製品の開拓をもたらすという利点があるとされる。ほとんどの女性は、プレッシャーをかけられないで自分でサンプルを試したいと思っているので、サンプルが定期的に郵送されてくるのは好都合になる。

化粧品ショッピングの目的として、“家に試供品を持ち帰ること”というデータもある。化粧品の利用者の中、5人に1人は昨年1年間の間で、試供品をもらった経験があるらしい。その試供品はほとんどが小売店から受取っている。55歳未満の女性層で試供品を持ち帰る傾向が強く、特に18~34歳の女性が最も多く試供品を受取ったという結果がでた。試供品を受取った女性の内、3分の1は製品の購買を決定するのにとても強く影響を受けており、半数の女性はやや影響を受けたという結果だった。35〜54歳の女性が、若い世代を超えて、サンプルによって影響される可能性が最も高かった。

同社副社長兼グローバル美容業界のアナリストのカレン・グラント氏は、「サンプル・サブスクリプションのビジネス規模はまだ小さいが、ビューティ業界に及ぼす潜在的な影響は大きい」としており、新しい顧客を発見しターゲットオーディエンスを構築するマーケティングと販売戦略に取り入れるのは有効かもしれないとコメントしている。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

  • Byline
  • New

ヴァレリー・康子

顧問記者(国際ビジネス、マーケティング)

Yasuko Valery/早稲田大学大学院卒。英インデペンデント新聞社東京支局オフィスマネージャーを経て、日本経済新聞社ロサンゼルス支局で米国西海岸の流通、産業分野を専門に記者経験を積む。本紙では主に、米国欧州の海外メーカー、ブランドの動向、海外市場の動向、新規ビジネスモデルなどを担当。現在はロンドンに在住

  1. 世界の化粧品市場2025年展望:P&G・LVMH・ロレアルの戦略と日本企業の課題

  2. 資生堂、「女性研究者サイエンスグラント」の第16回受賞者決定

  3. 米バイオテクノロジー企業アミリス、CEO退任と世界的な人員削除を発表

RELATED

気になるなら一緒に読んでほしい関連記事

PAGE TOP