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脂肪由来幹細胞から皮膚充填剤

皮膚のフィリングとしての脂肪由来幹細胞の有効性を図った実験結果が8月28日、「Aesthetic Surgery Journal」に掲載された。

実験用ラットに、脂肪由来幹細胞とヒアルロン酸、脂肪由来幹細胞とフィッシュ・コラーゲン、ヒアルロン酸単独、コラーゲン単独の4種の皮膚充填剤を用いて比較した。

充填効果は、脂肪由来幹細胞を含む充填剤で高かった。炎症反応は、どの充填剤にも見られなかった。充填注射の3か月後、脂肪由来幹細胞とヒアルロン酸を注入した群では、細胞マーカーPKH26-陽性細胞が注射付近の細胞の70%で確認された。PKH26を持つ蛍光色素は脳、腎臓、肺ではなく、脾臓で検出された。研究者らは、脂肪由来幹細胞は、皮膚充填剤として美的効果と長期効果の可能性があると示唆している。

再生医療ではこれまで骨髄由来葉系幹細胞を用いてきたが、近年、脂肪吸引で切除され、大量に入手できる脂肪組織を、再生治療の新たな細胞源として用いる試みがなされている。今回のラットによる実験は、幹細胞を皮膚のフィリングとしての有効性を確認するためのもので、美容分野への再生医療の実用化をにらんだもの。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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