たった5年で日本の総面積分の森が喪失 深刻化する世界の森林減少
2010.10.10
編集部
世界の森林は今、日々減少しています。その原因のひとつが海外で行われている違法で無秩序な伐採。そして私たちが意識せずに紙などの資源を大量に浪費していることが挙げられます。「違法に伐採された木材」があることを知った上で、緑の地球を救うため、私たち美容業界に携わる人間にも今すぐできることがあるはずです。
日本にも違法伐採された木材が!
日本の面積の約7割は森林ですが、世界有数の森林大国でありながら、木材・木製品の8割は海外から輸入されています。家具や紙製品など身のまわりだけでも、私たちの生活は多くの木々のめぐみに支えられていることがわかるはずです。世界では毎年、北海道の面積と同じぐらいの森林が失われています。その消失のスピードは5年間で日本の総面積分に相当するとのこと。この自然破壊の原因のひとつが、海外で行われている無秩序な違法伐採や持続可能でない森林伐採なのです。保護地域内や許可された面積を超えて森林を伐採して売りさばく業者が後を絶たず、違法に伐採された木材は輸入されて日本で平然と利用されているのが現状です。そんな違法業者が存在し続けるのは、私たちが木材の出所を意識せずに購買するからに他なりません。もし木材製品の使用を通じて、無自覚のうちに私たちが世界の森林破壊や違法伐採に関わっていたら……それはとても悲しいことではないでしょうか。これを読んでくださっている方に、自然破壊を願う人など、ただの一人もいないはずです。そこで消費者の一人として、次のことを提案したいのです。
1、 余計なものは買わず、ひとつの物を長く使う。
2、 名刺やチラシなどには古紙を選ぶ。
3、 原産地が近くの木を選ぶ(地産地消)。
4、 森林認証マークのある製品を選ぶ。
まずは私たち消費者が環境や森林の問題に関心を持たねばなりません。その意識が木材を大量に輸入し販売する企業を動かして、世界の森林破壊にストップをかけるのです。
美容に携わるからこそできること
今、森林伐採問題に危機感を持った人たちが集まり、木材がどこから来て、どこで使われるのかを明らかにしようという活動を行っています。それが生態系を破壊しない範囲で森を利用しようと木材の使い手に働きかけるフェアウッド・パートナーズという活動です。フェアウッド(FAIRWOOD)とは、伐採地の森林環境や地域社会に配慮した木材・木材製品のこと。この活動では現状の木材調達方法の見直しから、フェアウッドを使うよう企業をサポートするコンサルティングも行っているそうです。コンサルティング先には大手住宅メーカーなどもあり、企業として責任を持ちフェアウッドに取り組んでいます。美容業界でいえば、コスメなどの化粧箱をなくすだけでも環境保護に貢献できるのです。日々、消費する名刺やチラシを古紙にするなど、ほんのちょっとしたところに目を向けるだけで消失していく森林の面積は小さくなっていきます。まずはエコ活動のためとお客様に伝えて、古紙を活用したり、店販品は簡易包装を心がけることからはじめてみてほしいのです。美容のプロフェッショナルとして、人だけでなく地球も一緒に美しくしていきませんか?
『人と木~世界の森林を守るため、今私たちにできること』*
世界の森林減少と私たちの暮らしのつながりについて学べる環境教育用の教材を作成しました。対象は中学生以上、DVD(20分)に解説書が付き、無料で配布しています(送料は申込者負担)。また、講師を派遣する出前講座(こちらも無料)も実施しています。森や環境に関心のある方であれば、市民グループや小規模でも構いません。お気軽にお問い合わせください。
詳細URL: (ウェブ上でもご覧いただけます) http://www.gef.or.jp/activity/forest/world/dvd_hitotoki.html
*この教材は、フェアウッド・パートナーズが環境省と実施している「木材調達のグリーン化普及啓発キャンペーン」の一環として作成したものです。
●お問い合わせ
フェアウッド・パートナーズ
http://www.fairwood.jp
E-mail:info@fairwood.jp
TEL:03-3813-9735
(地球・人間環境フォーラム内フェアウッド担当まで)
フェアウッド・パートナーズは、(財)地球・人間環境フォーラムと国際環境NGO FoE JAPAN の共同プロジェクトです。