【連載】化粧品各社のイノベーション研究【3】ハウスオブローゼ①~ワコールとコラボを組む~
2015.11.25
編集部
株式会社ハウスオブロ―ゼ(東証1部)は、1978年11月に創業し1979年3月に初のプライベートブランド(PB)「コスメチックオイル」を市場投入した。1982年4月に法人化して以降、今年4月で会社設立満33年を迎えた。この間、自然志向のスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などのPB化粧品を百貨店、専門店において直営店舗として展開。1993年9月には、100%出資で「ハウスオブローゼインターナショナル」を設立して浴用剤や石鹸、海外ブランド化粧品などを輸入販売。また、オイルを使って足裏・ボディマッサージ等を行う「リフレクソロジーサロン」(2015年年4月からリラクゼーションサロン事業に改称)や女性専用フィットネス「カーブス」のフランチャイジー展開に乗り出すなど、事業の拡大を図っている。
同社の33年間に及ぶ会社沿革(表参照)の中で、エポックメーキングとして注目されるのは、ワコールとの資本業務提携(2004年2月)である。
業務提携の目的と内容は、独自の商品企画・開発による自然志向の基礎化粧品、ヘアケア・ボディ・バスプロダクツ等を全国の百貨店、専門店ビルにおいて直営店舗による販売を中心に約400 店(平成15 年9 月末現在)出店するなど店舗の拡大を図ってきた。
しかし、純出店数が年間数店舗に留まるなど環境が激変。既存店店舗の強化・顧客の固定化策としてロイヤルセブンカストマーづくりを推進。一方、出店数を増やすために新規事業としてリフレクソロジーサロン事業や同社が販売権を持つ英国の高級トイレタリー製品「クラブツリー&イヴリン」などを導入し、既存店舗との複合展開を進めた。
そうした中、ワコールの顧客に提供する商品やサービスと同社のコンサルティング販売形態ならびに商品ラインとが顧客に対する提供価値の面で相通じるものがあると判断。「両社の顧客ニーズに対応した商品・サービスの企画開発力を含むコラボレーションによる新業態店舗の開発など事業上の相乗効果が大いに期待できる」として資本業務提携の合意に至った。資本提携については、ハウスオブロ―ゼの発行済株式総数の20%をワコールが取得した。
現在では、両社のコラボで共同開発したボディコスメをワコールの直営専門店「ウンナナクール」で販売するほかハウスオブロ―ゼのスキンケアなどをワコールの通販サイトで販売するなど相乗効果を発揮している。引き続き両社は、小売り事業や店舗開発、海外展開などについてもノウハウを結集して取り組んで行く方針。