【連載】化粧品各社のイノベーション研究【3】ハウスオブローゼ② ~今期業績、増収増益見込む~
2015.11.26
編集部
現在、ハウスオブロ―ゼの主力事業は、直営店舗における化粧品販売(ハウスオブローゼ)の「直営店商品販売事業」と足裏・ボディマッサージの「リフレクソロジー事業」と女性専用フィットネスの「カーブ事業」、それに化粧品卸売事業の「卸販売事業」の3事業を中心に事業を展開。
2015年3月期業績(非連結=表)は、主力のハウスオブローゼ直営店部門の業績不振が響き売上高134億5000万円、営業利益2800万円、経常利益3500万円、最終損益が1億400万円の赤字になるなど厳しい決算となった。
セグメント別の状況は、主力のハウスオブローゼ直営店部門が消費増税に伴う駆込み需要の反動が想定以上に長引き、既存顧客の購買頻度が低下。半面、専門店店舗では、新客売上高、新規顧客数とも前年同期を上回るなど回復傾向を示した。ただし、総体的に百貨店店舗の回復力が弱く同事業の売上高は、106億7000万円(前年同期比10.0%減)、営業損失1億7400万円(前年同期営業利益3億8100万円)となった。また、同期間におけるハウスオブローゼ直営店舗については、9店舗を出店した一方、出店先の閉鎖や不採算店舗の退店を含め合計9店舗を退店した結果、期末店舗数は、期首と同数の254店舗となった。
直営店サービス事業のリフレクソロジー事業については、消費増税の影響が少なかったことやベッドを利用したボディコースの施術メニューを拡充した結果、顧客単価が上昇するなど既存店が前期売上高を上回った。しかし、退店による店舗数の減少などにより全店舗売上高は前期より減少した。
米国発祥の女性専用小型フィットネスクラブ「カーブス」のフランチャイジー事業も消費増税の影響が少なく物販販売も増加したこともあって業績を伸長させた。以上の結果、当事業売上高は16億6200万円(前年同期比0.1%減)、営業利益1億8700万円(前年同期比6.0%増)となった。
ハウスオブローゼショップ及びコーナー向け卸販売事業について記す。量販店コーナー(チェーンショップ)向け卸売上高は新規取引先の開拓が寄与し、また、一般流通向け卸売上高は、季節限定商品の伸長などもあり着実に増加した。しかしながら、個人オーナーショップ(ローズショップ)向け卸売上高が直営店舗同様、消費増税後の反動の影響や店舗数の減少などが響いた。この結果、同事業売上高は、11億1700万円(前年同期比3.5%減)、営業利益1500万円(前年同期比75.3%減)に留まった。
今期(2016年3月期)の業績見通しは、売上高145億円、営業利益4億5000万円、利益2億円と増収増益を見込んでいる。表に業績とセグメント別実績を示す。