【連載】化粧品各社のイノベーション研究【11】シャンソン化粧品① ~創立70年、スポーツ企業としてのSR活発~
2016.02.1
編集部
株式会社シャンソン化粧品(静岡県静岡市)は、1946年の創業以来、今年(2016年)で創業70年を迎えた。2015年を創立70周年の記念年と位置づけ、最高級プレミアステージの「ルタンシリーズ」を市場に投入。目標を大きく上回る138%の出荷を記録するなど大ヒット商品となった。また、昨年9月に開催した全国販売促進大会は、創立70年記念に合わせて最多人数の1200名を超えるエステサロンオーナー、スタッフを招待して表彰式を行うなど記念すべきイベントとなった。
同社は現在、化粧品事業を中心に栄養補助食品事業、宝飾事業、化粧品OEM事業、エステ事業など事業の多角化を推進。未上場ながら独自の経営路線を展開している。中でも、同社が取り組む社会貢献活動(CSR)は、極めて活発。
CSRは、企業が社会に対して責任を果たし、社会とともに発展していくための活動で、企業の社会的責任を評価する重要な指標として年々国際評価が高まっている。
同社のCSR活動として注目されるのが「Beautiful&Healthy」をサポートするための社会貢献活動として、高齢者のデイケア施設を訪問して高齢者の方々にメークを行う一方、依頼を受けてメークアップアーティストを派遣し、講演や実演などを実施。また、大学や短大、専門学校などに出向いて「就活必勝用のメークアップ講座」や「社会人マナー」などのセミナー開催を行っている。特に、化粧品事業を続けて行く中で、女子のバスケットボールを通じて多くのステークホルダーと積極的に対話し、良好な関係を保ちながら経営を続ける独自のCSR活動に注目が集まる。
同社が女子バスケットボール部(写真)を創部したのは、今から約56年前の1962年のこと。「女性に勇気を与えたい。輝いている女性をサポートしたい」-。そんな思いから女子バスケットボールを創部した。以来、現在までに日本リーグ・全日本での連覇達成やオリンピック出場選手を数多く輩出するなど、女子バスケットを通じて躍動するスポーツ企業としてのブランド力、価値創造力をいかんなく発揮している。また、バスケットボールの楽しさを多くの人に伝えるため、選手自らが地元静岡はもちろん、全国各地の小学校から大学まで訪問して、子供や学生達に夢と希望を与えるなどスポーツを通じたCSRが見事なまでに定着・理解されている。
仕事の特性から管理職も含めて、全従業員の約半数を女性で占める。女性のポジティブアクション等への取組みとして、若手女性の管理職への登用や外部研修への参加奨励、各種資格取得の支援や業務に必要な資格検定料の支給を行うなど、女性のスキルアップに力を入れている。また、女性社員の仕事と家庭の両立(ワーク&バランス)を図るための取組みとして、育児支援制度を拡充(短時間勤務など複数シフトから選択可能)するなど女性が働きやすい労働環境の整備拡充を講じている。