【連載】化粧品各社のイノベーション研究【13】オッペン化粧品④~集客型の訪販営業とネット通販を強化~

2016.02.26

特集

編集部

無題オッペン化粧品は、現在、スキンケアブランド「薬用妙」をメインに、147アイテムの化粧品を市場に投入している。こうした中、2016年3月21日から美白化粧品ブランド「DR メディアッククリスタル」の美白理論(EX理論)に基づいて開発した美容液、化粧水、洗顔料など6アイテム(医薬部外品・写真)の新商品を新たに市場投入する。

同社の化粧品販売は、25ヵ所の直営支店と分室及び約1200ヵ所の営業所からなるネットワーク網を構築し、約4万人にのぼる訪問販売員(ローズメイト)が地域コミュニティとの連動によるイベント展開、フリーマーケット、スーパー・催事イベントなどに出店し、新規顧客との接点を探りながらサロンへ誘導して販売に繋げている。
中でも営業所がビューティサロンとなって、伝統的な強みであるカウンセリングやトータルな美容サービスを提案しながら化粧品の対面販売を行う集客型の営業展開を行っている。

2015年3月からは、ネット通販にも本格参入した。過去にカタログ通販やECサイトを運営し、化粧品以外の商品や一部のブランドのみの販売を行ってきたが、全商品を通販で販売するのは初めてのこと。
同社がネット通販に乗り出した背景には、訪販の戦略見直しに伴い、訪問販売員が空白になっている地域のユーザーや購入方法がわからない消費者などの休眠顧客をネット通販によって補完すること。同時に、30~40歳代の女性を取り込みながら歩留まりの向上による継続購入に繋げる狙い。

新たな販売チャネルの開拓にも乗り出している。大阪市内のイオンモール「四條畷」(しじょうなわて)に「オーアンド」を出店(2015年10月)。店内にエステルームを開設して、美容カウンセリングやフェイシャルエステ(予約制)を行いながら、世界のオーガニッコスメ、ヘアケアなどを販売している。
イオンへの出店は、訪販で培ったカウンセリングによる接客の強みを評価したイオンからの要請に応じて、子会社ハッピーヘルツを通じて出店を決めた。
イオン出店について同社は、「他社の化粧品などを販売することよりも、販売チャンネルの多角化を図りノウハウを蓄積することで、新たな販路の開拓に繋げるのが狙い」としている。
同社は、未公開の化粧品メーカーだが、ネイルサロンへの進出や台湾、韓国などグローバル化を加速するなど事業の質、規模からみて上場企業の威容・業態を備える。上場については、約10年前から株式公開を盛んにアナウンスしてきたが、現在では「予定していない」と、意気消沈の体。3年後に売上100億円が目標。

#

↑