【連載】エステ・理美容業界シェア争い激化(1)エステ・理美容業界シェア争い激化

2013.05.7

特集

編集部

エステ・理美容業界に大手の化粧品やドラッグストアなどが多店舗展開を錦の御旗にしてなだれ込んできた。いずれも化粧品、サプリメントなどの物販販売の強化、肌診断による顧客の囲い込みなど新たな付加価値を付けることで、収益の向上に繋げる狙い。市場が飽和状態にある中で、市場のパイを巡って新旧の争いが激化、二極分化が一段と進むのは必至の情勢だ。

ポーラザビューティ好調、ジェイプロデュース新規参入

ポーラオルビスは、エステと化粧品を融合した集客型店舗「ポーラザビューティ」(店舗名)の店舗数を今年12月までに累計600店とするなど多店舗展開(チェーン展開)をさらに加速する。

同店舗は、エステを施しながら化粧品のカウンセリングを行い化粧品、サプリメントなどの販売を行うもの。1店舗たりの投資額は、平均800万円前後で、ポーラが店舗を用意してポーラレディに貸与する形態。1店舗当たりの平均月商は、500万円前後。今期(2013年12月期)に同店舗数を前期比28店増の累計600店とする計画。

安定収益確保の目玉と位置付ける同店舗の拡大などが奏功して同社の今期業績は、売上高1885億円(前期1808億7300万円)、営業利益160億円(同135億2000万円)、当期利益82億円(同66億8100万円)となる見通し。

同社は、婦人用化粧品の製造・販売を行うポーラ化粧品とサプリメントなどの通販事業を行うオルビスを中心とした持ち株会社。2005年から訪販を転換してポーラザビューティのチェーン展開に乗り出した。将来、海外でも独自のノウハウを持った同店舗の多店舗展開に乗り出すと見られ今後、同社の国内外でのシェア獲得を狙った多店舗展開の動きは、大きく注目される。

自然派化粧品を標榜するハウスオブローゼの美容サロン事業参入は、2000年10月に英国式リフレクソロジーサロンを東京・新宿にオープンしたのが始まり。以来、リフレクソロジー事業として関東圏中心にエステサロンを出店し、2012年3月期で店舗数が33店舗にのぼる。また、2006年に女性専用フィットネス事業「カーブス」のFC展開に乗り出し、エステとフィットネス合わせたリフレクソロジー事業の売り上げは、前期(2012年3月期)で15億3000万円に達した。今期は、震災の影響が解消されリフレクソロジー事業の売り上げは、前期並みの横ばいを見込む。

東証1部に上場し調剤薬局とドラッグストア事業を手掛けるジェイプロデュースがエステ分野に新規参入した。

今年4月に東京・渋谷に美容サロン併設(まつ毛、エステ、ネイル)の新業態ドラッグストアをオープンした。ドラッグストアの顧客にエステを施し健康食品などの物販販売などを行う。

同社は現在、調剤薬局500店舗、ドラッグストア60店舗を展開。渋谷での成果を見た上で今後、関東圏を中心に美容サロン併設の新業態店を開設する方針。

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