ポーラ、女性ホルモン、成長ホルモン受容体を増やすエキスを開発

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2016.07.26

編集部

ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業株式会社(神奈川県横浜市)は、皮膚の細胞(線維芽細胞、角化細胞)にアサガオカラクサエキス(EAエキス)を作用させることにより、女性ホルモン及び成長ホルモンの受容体が増加することを確認した。このことにより、角化細胞と線維芽細胞はホルモンの作用を受けやすくなり、結果として細胞の増殖と代謝が活性化される可能性が導かれた。

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EAエキスを配合した化粧料を使用することにより、年齢や紫外線A波(UVA)の影響に関わらず、女性ホルモンおよび成長ホルモンに対する細胞の感受性が高まる。

ホルモンの作用が十分に伝わることで、健やかな細胞増殖とECM産生が促され、弾力に富む肌を維持できることが期待される。

表皮における角化細胞の増殖、真皮におけるコラーゲン等に代表される細胞外マトリクス(ECM)成分の代謝には、女性ホルモン(エストラジオールなど)や成長ホルモンが関与している。

しかし女性においては、女性ホルモンは閉経とともに、成長ホルモンは30代を境に、その量が極端に減少するため、細胞の代謝も低下すると考えられる。

同社は、年齢とともに減少するこれらのホルモンの作用を高め、細胞の増殖と代謝を上げることを目的に研究を進めた。

ホルモンは細胞の表面あるいは核内に存在するホルモン受容体に結合することで作用を発揮する。加齢とともに低下するホルモン量を増やすことはできないため、その作用を細胞に伝える受容体の数を増やし、少なくなったホルモンの作用を効果的に細胞に伝えられないか、と考えた。

線維芽細胞および角化細胞を対象に、様々なエキスによるエストロゲン受容体(女性ホルモンであるエストラジオールの受容体)及び、成長ホルモン受容体の増加作用を検討した結果、EAエキスにその効果が認められた。

線維芽細胞に対し、女性ホルモンまたは成長ホルモンにEAエキスも作用させることにより、エキスを作用させない対照と比較してコラーゲンの産生がともに高まることが明らかになった。

さらに角化細胞に女性ホルモンまたは成長ホルモンだけでなくEAエキスも作用させることにより、エキスを作用させない対照と比較して、ともに細胞増殖が高まることも分かった。

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また、顔は太陽光からのUVAの影響を受ける部位だが、今回の研究により、UVAの影響を受けた線維芽細胞ではエストロゲン受容体が減少することも分かった。

このことは、閉経前で体内にエストラジオールが豊富に存在する年代の女性であっても、UVAを浴びている肌ではエストロゲン受容体が減少し、女性ホルモンの作用が効果的に現れていない可能性を示唆する。

これらの研究成果は、同社から今秋発売されるスキンケア化粧品シリーズに活用される予定だ。

参考リンク
ポーラ化成工業株式会社

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