ポーラ化成、トウニンエキスに血管内皮細胞の接着強化作用を発見

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2016.08.4

編集部

ポーラトウニンポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業株式会社(神奈川県横浜市)は、モモの種子から抽出したトウニンエキスに、血管内皮細胞同士の接着を強化するタイトジャンクション構成タンパク質のひとつであるZO-1の発現を促進する効果を見出した。

血管の細胞同士の接着力の強化は血管構造の維持につながり、それにより血液中の栄養、ホルモンなどが肌の細胞に供給され、細胞の増殖、物質生産が健やかに行われることが期待される。

表皮における角化細胞の増殖や、真皮におけるコラーゲン等に代表される細胞外マトリクス(ECM)成分の産生には、女性ホルモン(エストラジオールなど)や成長ホルモンが関与している。

しかしながら、女性ホルモンは閉経とともに、成長ホルモンは30代を境にその量が極端に減少するため、細胞の代謝が低下すると考えられている。

血管は、体の隅々に酸素や栄養を運び、各器官の働きを支える役割を担っており、皮膚も毛細血管からの栄養を頼りに細胞の増殖や細胞外マトリクス成分などの合成を行っている。

この毛細血管は、顔のような紫外線を浴びる部位では40才頃を境に構造と機能が変化し、栄養が皮膚のすみずみに行き渡らなくなることが報告されている。

そのため、細胞の代謝に影響を与えるホルモンも皮膚のすみずみに行き渡っていないことが推測される。

そこで今回、スキンケア製品に応用する素材の中から血管内皮細胞同士の接着力を上げる可能性のある素材を探索した。

血管内皮細胞に様々な生薬エキスを添加し、内皮細胞同士の接着に関与するタイトジャンクション構造を構成するタンパク質であるZO-1発現の増加を、蛍光抗体染色で確認した結果、トウニンエキスを作用させると、血管内皮細胞の間に、多量のZO-1が誘導されることがわかった。

このことから、トウニンを配合した化粧品を使用することで、皮膚末梢の毛細血管が強化され、栄養やホルモン等の物質輸送が正常化し、健やかな肌が保たれることが期待される。

同研究成果は、ポーラ・オルビスグループの株式会社ポーラ(東京都品川区)から今秋発売されるスキンケア化粧品シリーズに活用される予定だ。

参考リンク
ポーラ化成工業株式会社

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