【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【11】リビアス① ~8業態20ブランドの専門店を展開~
2016.08.25
編集部
生活に密接に関連した理美容業界は、大手の進出やディスカウント店の出現などにより顧客数や顧客単価の低迷が続き、中小の理美容事業者の経営は依然として苦戦を強いられている。
そうした中にあって株式会社リビアス(大阪府大阪市、社長大西昌宏氏)は、2002年に法人化して以降、出張理美容サービス事業、フランチャイズ事業、女性顔そり専門店「ビューティーフェイス」事業など次々とベンチャー的発想で、多様な業態の店舗を打ち出した。
現在では、8業態20ブランドの専門店を国内、海外(中国)合わせて233店舗(直営、FC)展開するなど、量的拡大による成長路線を走っている。
8業態20ブランドの主な専門店は
①同社の原点で駅構内や温浴施設などの環境を活かして効率的な形でサービスを提供している美容室「HAIRS N.J MEN」や「髪切りどころ」
②全国各地の百貨店・ショッピングモールなどの大型商業施設内を中心に出店している顔そり・シェービング・ブライダルエステ専門店「レディースシェービング」
③ビューティーフェイスやビューティーアイラッシュなどの女性専門サロン
④中国・上海や香港にも出店し今後の世界戦略ブランドに位置づける理美容サロン「リビアス」
⑤最高級品質のカラー剤で、プロの美容師が決める日本初のヘアカラー専門店「ビューティーカラープラス」を大型商業施設など中心に展開している。
また、他業種(マッサージ、エステサロン、化粧品など)とのコラボレーションによる展開もおこなっている。
2015年にはニューヨークのトップヘアサロン「ウォーレン・トリコミ」の日本代理店として東京・表参道に1号店、今年4月に大阪駅前に2号店をオープン(写真)した。この10年間で7店舗程度、開設する計画。
このような業態別専門店舗の展開は、顧客のニーズの多様化や業界内の競争激化に対応して付加価値の向上と総合的なサービスを提供し顧客の満足度を高めることで、固定客の獲得と収益の確保に繋げる狙い。
同社は、働く社員を「従業員」や「社員」とは呼ばず「パートナー」と呼ぶ。「ある米国の日本法人がパートナーと呼んでいることを知ったことがきっかけ。これが信頼関係に繋がっている」という。
年間280回程度、トップが全国の店舗を回ってパートナーと飲みにケーションを行いコミュニケーションを深めるなど、信頼関係を構築している。
また、パートナーにできる限り本を読んでもらえるように「課題図書」制度を取り入れている。
この課題図書制度は、パートナーのスキルアップ向上などを狙ったもので、人事評価制度に組み入れて推進している。こうしてスキルアップしたパートナーが毎年、増え続けて定着を図ることで、企業の成長発展の原動力とする考え。