【連載】美容漢方~漢方の新たな市場を創出~内側からのケア=漢方で、真の美を取り戻す
2016.12.2
編集部
近年、健康志向が加速化している。国による「21世紀における国民健康づくり運動」(健康日本21)では健康寿命の延伸や、QoLの向上を掲げており、各企業は健康増進に貢献できる製品の開発にしのぎを削っている。
昨今問題となっている生活習慣病の多くは、「病気とまではいかないが何となく調子が悪い」といった“未病”であり、現代の西洋医学では対応しきれない部分があることから、東洋医学の代表格である漢方が見直され始めている。
漢方は、中国の伝統医学である中医学を起源とする。その中医学のベースは中国古代哲学にあることから、医療だけに留まらず、日ごろの生活習慣や食生活、自然と人間のかかわり方、さらに突き詰めれば人間の生き方・あり方までをも説いた人類の貴重な財産とも言える。
漢方の「医食同源」という言葉は、治療に使う薬も日常口にする食物も、元をたどれば起源は同じで、食物も薬も同じ天然物かつ性味効能を有するという意味だ。これは言い換えると、毎日の食事が長い目で見れば、その後の健康を左右すると言える。
昨今、美容業界でも身体の外側からだけでなく、内側からのケアが本質的な美をもたらすとして、インナービューティの関心が高まっている。この内側からのケアは、漢方の考え方と一致するものであり、身体の内面の健康バランスが取れてこそ、真の美しさが実現できる。美容がすでにわれわれの生活の一部となっているように、漢方もその一部となりうるものなのだ。
そこで、中医・漢方編集部では、美容業界にもっと漢方のすばらしさを知ってもらうべく、漢方を美容領域で展開している人・企業・団体などを取り上げ、「美容漢方」と題して連載記事を掲載していく。