【連載】医薬・創薬企業の化粧品事業⑪常盤薬品工業 ~ノエビアHD傘下の常盤薬品工業、セルフ化粧品を代理店通じて販売~
2017.06.29
編集部
株式会社ノエビアホールディングス(兵庫県神戸市、以下ノエビアHD)の傘下で子会社の常盤薬品工業株式会社(大阪府大阪市)は、市販の医薬品、医薬部外品等について代理店を通じてドラッグストアや薬局薬店等に卸販売しているほか、セルフ化粧品を中心とした化粧品事業に力を入れて取り組んでいる。
常盤薬品工業は、ノエビアHDが2004年9月に常盤薬品工業を存続会社とすることを目的に常盤薬品とノブ、サナの3社を合併。その後、2011年6月にノエビアHDは、常盤薬品工業を傘下に収めて子会社化した。
現在、常盤薬品工業が行っている化粧品事業は、スキンケア、ヘアケア、ボディケア、メイクなどセルフ化粧品約30品目以上を市場に投入。代表的な商品として美容液マスク「滑らか本舗」やスキンケア「ノブ」(写真=N0V)、医療機関専売機能性化粧品「セルニュー」などがある。
同社は、これらのセルフ化粧品を主に代理店を通じてドラッグストアやバラエティショップ等に卸販売しているほか、全国の皮膚科・医療機関等を通じて消費者に販売している。
常盤薬品工業がセルフ化粧品を扱っているのに対しノエビアは、カウンセリング化粧品の販売を行っている。
カウンセリング化粧品の販売は、ノエビア直営のショップ&サロン「ノエビアスタイル」とノエビアとの間で「委託販売契約」を締結した販売代理店が行う。
これらの販売代理店は、顧客に直接、販売する対面販売に加えて、主要な販売代理店が全国に1800店舗を超えるレッスン型サロン「ノエビア ビューティスタジオ」を展開して行っている。
ノエビアは、直接契約を締結する販売代理店が販売を行った時点で売上を計上する。また、ノエビアの子会社株式会社ボナンザ(兵庫県神戸市)は、化粧品のOEM事業を行っている。さらに、置き薬の販売を行う株式会社常盤メディカルサービス(大阪府大阪市)は、代理店を通じて化粧品とトイレタリーの仕入販売を行っている。
このようにノエビアグループの化粧品事業は、カウンセリング化粧品事業を行うノエビアとセルフ化粧品事業を行う常盤薬品工業及びボナンザがそれぞれ得意する技を前面に押し出して事業展開するところに特徴がみられる。