【連載】医薬・創薬企業の化粧品事業⑭コスメディ製薬 ~6月に育毛剤を通販、理美容サロンに投入~
2017.07.11
編集部
肌の保水に欠かせないヒアルロン酸は、加齢とともに減少し、外から補おうとしても高分子のため皮膚に浸透しにくく、肌表面の保水にしか効果がないことが化粧品開発の長年の課題となっていた。
コスメディ製薬株式会社(京都府京都市)は、これまで医薬品の開発分野で研究をすすめてきた最新テクノロジー「溶解型マイクロニードル技術」に着目。この技術を化粧品に応用し、高分子のままのヒアルロン酸を数百ミクロン単位の小さな針に結晶化する「ヒアルロン酸マイクロニードル」の工業的製法を世界で始めて確立した。
ヒアルロン酸マイクロニードルは、目に見えないほど微細な針に薬剤成分等を含ませヒアルロン酸が肌の内側で溶解・浸透する。この微細な針は、皮膚本来の成分であるヒアルロン酸やコラーゲンなどから組成されているため、肌に貼付すると皮膚内部で溶け出す。
そのため、針に薬剤成分を含ませておけば、針が溶け出す際に簡単・安全に皮膚内にリリースすることができる。
この技術を利用することで、肌からの投薬が難しかった高分子薬剤であっても直接皮膚内部まで入れることが可能となり、注射に代わる新たな投薬手段として注目されている。
この「ヒアルロン酸マイクロニードル」を平面に並べてシート状にして開発した化粧品が「ダーマフィラー」。ポイント集中ケアとして特に、年齢肌が気になる目もとや口回りなどに使用する。
ダーマフィラーのモニターテストによる検証では、週に2度、30〜60歳の女性を対象にモニターテストを行なったところ、「ダーマフィラーを使い続けると肌が潤い、ハリが増した」という評価を得た。
これまで開発した化粧品はクオニスなど3ブランド。 3ブランド合わせて約20品目を通販市場と理美容サロン市場に卸販売している。通販と理美容サロンの販売比率は「約半々の状況」という。直近では、今年6月に育毛剤「ファーサ」を理美容サロン向けに販売した。
海外展開は、約5年前から欧州、アジア、ロシア中心に推進。日本から製品を輸出し現地の代理店を通じて販売している。
「引き続き通販、理美容サロン中心に販売に力を入れて化粧品事業を強化していく方針」としている。