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鉄サプリメントが胃炎を誘発する可能性

鉄サプリメントで胃炎を起こした症例の報告が、「Medicine(Baltimore)」7月号に掲載されている。鉄欠乏性貧血に対する鉄サプリメント剤は、壊死、潰瘍形成または虚血など胃腸管粘膜に副作用をもたらす可能性がある。鉄の沈着を伴う胃粘膜におけるびらん性胃炎の診断には内視鏡所見または病理組織学的検査が用いられる。

ルーマニアから、14歳女子が約2週間の鉄サプリメント服用後、上部消化管出血、吐き気、めまい、腹痛を認めて入院したという症例報告が発表された。患者は鉄欠乏性貧血のためサプリメントを服用していた。入院時の検査では、貧血、血清鉄濃度の上昇、肝臓トランスアミナーゼの増加、フェリチンのレベル低下が指摘されたが、鉄結合能力とトランスフェリンの両方が正常レベルであった。

消化管・十二指腸内視鏡検査では、胃粘膜全面に複数の褐色沈着物が認められ、びらん状病変および多発性出血性病変が確認された。病変は胃前部でより重度であり、組織病理学的検査により鉄の沈着が確認された。著者らは、鉄剤誘発性胃炎は発症はまれだが潜在的に重篤な臨床的影響がある。小児にも発症する可能性があるが、実態は不明であることを示唆している。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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