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抗酸化剤は次の注目サプリメントになるか?

現在は試薬として販売されている人工有機化合物のTEMPOが有力なサプリメント候補となるかもしれないという研究報告が9月11日、カナダのブリティッシュコロンビア大学オカナガン校からプレスリリースされた。研究の詳細は「Journal of The American Chemical Society」オンラインに掲載された。

TEMPO (2,2,6,6-tetramethylpiperidine-1-oxyl radical)は、ニトロキシルラジカルの一種で、安定した抗酸化作用を持つ人工的な有機化合物である。同大学およびイタリア、ボローニャ大学の研究チームは、このTEMPOがビタミンEより100倍強力な抗酸化作用を持ち、皮膚損傷からアルツハイマー病に至るまでのすべてを予防できる可能性があることを明らかにした。体内におけるフリーラジカル(活性酸素)は自然の減少だが、喫煙や飲酒、太陽光への過剰な曝露などで増加する。このフリーラジカルは、老化を促進し、がんや炎症性疾患を導くと考えられている。ビタミンCやEは抗酸化作用を持ちことは知られており、今回の研究は、人工の抗酸化物質TEMPOがどのように機能するのかに焦点を当てたもの。

その結果、TEMPOがビタミンEよりフリーラジカルの転換率が最大100倍速いことがわかった。そして「それは、皮膚組織や細胞の壁を根本的な損傷から保護するのに特に効果的な手段であることを意味する」とブリティッシュコロンビア大学化学学部のGino DiLabio教授は述べた。また、この研究がフリーラジカルの損傷を防ぐのに役立つ薬学的療法の開発につながるかもしれないとも述べ、日焼け後の皮膚保護用クリームやニューロンの損傷を防ぐことができる薬剤の開発につながること可能性を示唆した。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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