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にきび悩みが心理的苦痛と生活の質を低下させる恐れあり

にきびに悩む患者が、その外見から心理的苦痛または生活の質を低下させる可能性があるという新しい研究結果がアイルランドのリムリック大学の心理学科研究チームによって、9月28日、発表された。

科学誌 PLOS One(電子版)に掲載された「Stigma predicts health-related quality of life impairment, psychological distress, and somatic symptoms in acne sufferers」というレポートの中で、研究対象になった271人のざ瘡患者は精神的ストレスが高く、また、ざ瘡の重症度と精神的苦悩の間に有意な相関があることが明らかにされた。

同大学の Aisling O’Donnell博士は、社会が尋常性ざ瘡をどのようにみているかに対する一般的な見解が、肌の状態で悩んでいる人々(患者)に不安感を引き起こし、この不安感が睡眠障害、頭痛、胃腸不全などの身体的な症状を二次的に引き起こし得ることを発見した。これらの症状に加えて、うつ病、自信喪失、倦怠感、自殺願望の増加との関連性も示している結果が出た。調査対象者の中で、女性は男性よりも心理的不安感が日常生活へ及ぼす影響力は大きかった。

研究チームは、にきびに悩む患者の心理的および身体的健康状態を改善する可能性があると示唆している。 例えば、ソーシャルプレッシャーに対処するための戦略などを教える初級レベルのクラスを初等教育時に導入すれば、若者が思春期に遭遇する変化に備えることができるとしている。成人患者には、精神的苦痛および身体的症状を減少させるようにワークショップなどを開設して支援することを提案している。

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ヴァレリー・康子

顧問記者(国際ビジネス、マーケティング)

Yasuko Valery/早稲田大学大学院卒。英インデペンデント新聞社東京支局オフィスマネージャーを経て、日本経済新聞社ロサンゼルス支局で米国西海岸の流通、産業分野を専門に記者経験を積む。本紙では主に、米国欧州の海外メーカー、ブランドの動向、海外市場の動向、新規ビジネスモデルなどを担当。現在はロンドンに在住

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