世界の美容とヘルスケアビジネス情報を配信

FEATURED

注目の企画

BUSINESS

オーガニック食品の残留農薬を調査する方法

「オーガニック」のラベルの付いた果物や野菜の残留農薬を検出する方法について65日、American Chemical Society(アメリカ化学会)からプレスリリースされた。研究の詳細は学会誌「Journal of Agricultural and Food Chemistry」に掲載されている。

合成農薬を使わずに栽培されるオーガニックの果物や野菜はより健康的であると考えられている。また、その人気と値段は、オーガニックであると偽って販売する詐欺行為を助長する原因ともなっている。しかし例えば、オーガニックの果物表面に多少の農薬があるということは、必ずしも意図的な詐欺を示唆するものではない。これら化合物は隣接する農園から風によって吹き飛ばされた可能性もある。「オーガニック」のラベルの付いたすべての野菜や果物が完全に無農薬であるわけではなく、農薬に使用される少量の物質を検出するのは困難な場合がある。そこで今回、研究者らはオーガニック食品の検証方法を改善するため、実験用ブドウ園を試験場として、農薬が分解したときに植物内で生成される代謝産物を分析する方法を開発した。

超高速液体クロマトグラフィーと高分解能質量分析の組み合わせで、7つの一般的な農薬の代謝産物を同定し、スクリーニングした。植え付けと収穫の間の異なる間隔で、ブドウの葉と果実、およびワインにこの方法を適用した。化合物のレベルは時間とともに変化するため、これらの物質の代謝産物も検出した。その結果、この方法を使うと、ワインに残った化合物までも検出可能であることがわかった。研究者らは、この方法は有機農法での違法行為を取り締まるための食品規制当局の取り組みに役立つはずと述べている。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

  • Byline
  • New

橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

  1. 男性・家族歴・重症度でニキビ瘢痕有病率に差異

  2. ニキビへの新技術Photopneumatic Technology

  3. 時間制限食とカロリー制限食の減量効果に差なし

RELATED

気になるなら一緒に読んでほしい関連記事

PAGE TOP