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睡眠中に揮発性有機化合物曝露の可能性

ベッドのマットレスが睡眠中に高レベルの揮発性有機化合物(VOC)を放出する可能性があるという研究結果が710日、アメリカ化学会(American Chemical SocietyACS)からニュースリリースされた。

家庭における室内では家具、塗料、電子機器などの家庭用品が揮発性有機化合物(VOC)を排出しており、高レベル曝露での健康リスクの可能性も懸念される。今回の調査では、研究者たちは模擬睡眠条件下で数種類のポリウレタン製マットレスから放出されるガス状化合物の放出率を測定し、子供や幼児にとって問題となるレベルのVOCを発見した。睡眠中は室内の換気が悪く、鼻や口が化合物を放出するマットレスや寝具に近接しているため、より多くのVOCを吸入する可能性があることが考えられている。

対象のポリウレタン製マットレスは乳幼児から若年者用の3種類。マットレスをフローチャンバーに入れ、流出する空気を集め、ガスクロマトグラフィー質量分析により18種類の異なるVOCのレベルを分析した。体温をシミュレートするために温度を上昇させると、マットレスはより多くのVOCを放出した。成人、乳児、および子供が吸入するVOCの用量を推定したところ、ほとんどがこれらの化合物のがんおよびがん以外のリスク基準レベルをはるかに下回っており、今のところ健康被害の報告もない。しかし、いくつかの化合物(例:アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、ベンゼン)は、乳幼児にとっては、懸念すべきレベルに達する可能性が指摘された。研究者らは、慢性的な低レベルVOCへの継続的な曝露による健康への影響に関するさらなる研究の必要性を強調している。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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