世界の美容とヘルスケアビジネス情報を配信

FEATURED

注目の企画

BUSINESS

水道水添加のフッ素、腎臓や肝機能に影響か

水道水フッ素化による腎臓および肝機能への影響を調査した結果が88日、「Environment International」オンラインに掲載された。虫歯予防のために水道水にフッ素を添加することは、アメリカやオーストラリアなど諸外国で実施されている。最近では虫歯以外の健康面への懸念から、そのフッ素添加の利益を再検討する追跡調査が多く実施されている。

Icahn School of Medicine at Mount Sinaiの研究者らによるこの横断的研究では、米国国民健康栄養調査(201316年)から、1983人と1742人の腎疾患の無い青年を対象に実施された血漿と水フッ化物のデータを分析した。

その結果、対象者の平均年齢は15.4歳、水と血漿のフッ化物濃度の中央値はそれぞれ0.48 µmg/L0.33 µmol/Lだった。血漿フッ化物のμmol / Lの増加は、10.36µmL/min/1.73 m2の推定糸球体濾過率の低下、0.29 mg/dLの血清尿酸の増加、1.29 mg/dLの血中尿素窒素濃度の低下に関連していた。水フッ化物の1µmg/Lの増加は、0.93µmg/dLの血中尿素窒素濃度の低下に関連していた。

研究者らは「フッ化物は腎臓と肝臓に関連するパラメーターの複雑な変化に寄与する可能性がある。一方で、この研究は横断的研究デザインであるため逆因果性を排除することはできず、腎臓と肝機能の変化が、フッ化物の体内吸収および代謝プロセスに影響を与えている可能性も排除できない」と述べている。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

  • Byline
  • New

橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

  1. 男性・家族歴・重症度でニキビ瘢痕有病率に差異

  2. ニキビへの新技術Photopneumatic Technology

  3. 時間制限食とカロリー制限食の減量効果に差なし

RELATED

気になるなら一緒に読んでほしい関連記事

PAGE TOP