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資生堂アメリカ、米スキンケアブランド「DRUNK ELEPHANT」買収

資生堂アメリカは、8日、アメリカの革新的なプレステージ・スキンケアブランド「Drunk Elephant」を買収したと発表した。同社の発表文では買収額については明らかにされていないが、米通信社ブルームバーグのウェブ版(8日付)は、8億4500万ドルと報じた。今回の買収により資生堂は、欧米地域を中心に急成長している化粧品市場の一つである“Clean Beauty(クリーンビューティ)”市場への対応力を強化し、収益性の高い主力のスキンケア事業をさらに拡大するとともに、米州事業の収益性の向上を目指す。

Drunk Elephantは、 Tiffany Masterson氏がスキンケアのあり方を変えたいという情熱から独学で成分や処方を学び、テキサス州で2012年に創業。 創業者が考える、肌の健康に直接寄与する成分や効果をサポートする原料のみを使用し、不必要あるいは肌に悪影響をもたらす可能性がある原料を排除するなど、効果が高く肌に合うスキンケア化粧品を展開している。ミレニアルやジェネレーションZと呼ばれる若年層を中心に幅広い消費者層から高い支持を得て、世界をリードする米国の“クリーンビューティ”市場において先駆者としてトップクラスのプレゼンスを有する。

クリーンビューティ市場の成長の背景には、米国の若年層をはじめとして、人体にも環境にも“Clean”な製品を求める、世界共通の消費者価値観の変化があると分析。資生堂がグローバル市場で展開する「SHISEIDO」や「クレ・ド・ポー ボーテ」などの日本発ブランドに、「Drunk Elephant」のような大きな需要のポテンシャルをもつ米国発ブランドを加えることにより、主力であるプレステージ・スキンケア事業をさらに強化・発展させていく。今後は、「Drunk Elephant」の欧米事業をさらに拡大することに加え、中国でも受容性が高いという調査結果を得ていることなどから、クロスボーダーマーケティングのノウハウやグローバルに配備された資生堂のプラットフォーム・経営資源を活かし、アジアを含むグローバル市場における将来的な展開を推進させていく。

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ヴァレリー・康子

顧問記者(国際ビジネス、マーケティング)

Yasuko Valery/早稲田大学大学院卒。英インデペンデント新聞社東京支局オフィスマネージャーを経て、日本経済新聞社ロサンゼルス支局で米国西海岸の流通、産業分野を専門に記者経験を積む。本紙では主に、米国欧州の海外メーカー、ブランドの動向、海外市場の動向、新規ビジネスモデルなどを担当。現在はロンドンに在住

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