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㉙大島椿(下)~髪、頭皮、肌等万能タイプの椿油を商品化~

大島椿株式会社の全てのヘアケア・スキンケア商品には、椿油が配合されている。椿油は、無農薬で栽培された椿の種子を搾って作る。種子を細かく砕き、重さをかける圧搾方法で油を搾り出す。椿油の主成分は、人の皮脂にも含まれる「オレイン酸トリグリセリド」という成分で髪や肌になじむ性質がある。
こうして搾油された椿油の量は、種子ひと粒からわずか約0.3gしか採れない。大さじ一杯の量を得るには、45粒もの種が必要となる。また、椿の木が多くの実をつけるようになるまで、およそ20~30年という長い年月がかかる。
一年に一度、限られた量しか収穫できない椿油は、非常に貴重な自然からの贈り物といえる。この、良質で貴重な素材を最大限に活かして同社は、椿油のエキスパートとして精製した高品質の椿油を配合した化粧品を作り続けている。

椿の種子から搾ったばかりの原油は、水分が含まれ、独特の臭いや粘り気がある。そこで、精製の段階で、余分な水分やにおい成分、粘り気などを除去。無臭でべたつかず、使いやすい油にしてから、化粧品に配合し、製品化した。
現在、同社が通販チャネルで販売している化粧品は、椿油(写真)とヘアケア、スキンケアが中心。椿の種子から採った椿油「大島椿」は、さらりとした使い心地で髪・頭皮・肌のケアに使える万能タイプ。

現在、低刺激性商品アイテムのベースとなっている椿シャンプーは、1975年に商品化し、販売したもの。当時、主婦層の悩みとなっていた手荒れや湿疹を改善する商品として医療機関が椿シャンプーに着目、皮膚科中心にケース単位で購入するほど人気を得た。現在では、スーパーマーケットなどにも販路が広がり需要が拡大している。

医療機関などで推奨されている「アトピコ」は、膚科専門医からアドバイスを得て開発したスキンケアシリーズ。さまざまな外的刺激や物理的刺激から体内を保護する「バリア機能」が低下した肌の健康回復をサポートする。
同社にとってアトピコの商品化は、ヘアケアが主だった椿油製品をスキンケアという新たな領域に広げた。

今後は、大島椿という製品や会社のファンをいかに増やしていくか、創業100年(2027年)に向けた成長の軌跡に期待が高まる。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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加藤勇

顧問記者/ジャーナリスト

元日刊工業新聞編集局部長。欧州、米国特派員を含め記者歴通算45年。ベンチャー、中小・金融政策専門経済ジャーナリスト。「レバレッジ金融至上主義の崩壊」など著述多数。本誌では主に、経済部門、企業取材を担当。

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