話題の美容医療｜美容医療と再生技術で実現する自然な美しさ

唇の形と魅力を引き出す3つの手法とその特徴

執筆者：Dr Noël SCHARTZ（皮膚科医／パリ）

美容は、顔の各パーツの比率や、骨格、歯、そして軟部組織の関係が調和していることで定義されます。特に唇は、このバランスにおいて重要な役割を果たし、顔の魅力を構成する欠かせない要素と考えられています。

ふっくらとした唇は若さや魅力と結び付けられますが、美容技術の扱いを誤ると、美的に好ましくない結果を招くことがあります。唇の美しさは、自然な比率と美容技術の微妙なバランスによって成り立っています。

近年は「Cherry lips」「Russian lips」「Lip flip」など、唇の印象を大きく変える技術が知られています。それぞれの方法は、顔全体の調和に独自の影響を与えます。

Cherry lips

Cherry lipsは、唇を丸みのあるふっくらとした形に仕上げ、中央部分を強調してさくらんぼを思わせるような印象を作る技術です。唇の中央ゾーンを明確にしつつ、口角部分はやや細く残すことで、可愛らしい雰囲気を演出します。若々しく魅力的な見た目を与える一方で、顔全体の比率とのバランスを保たなければ、不自然な印象になってしまう可能性があります。

Russian lips

Russian lipsは、唇を前方ではなく垂直方向に投影するよう形成し、平らながらもふっくらとした印象を与える技術です。ボリューム感を持ちながらも、明確な対称性が特徴です。ただし、誇張しすぎると顔立ちの自然な調和を損なう恐れがあるため、慎重な施術が求められます。

Lip flip

Lip flipは、よりソフトなアプローチで、口輪筋にボツリヌス毒素を少量注入し、筋肉をわずかに緩めることで上唇の赤い部分（バーミリオン）をより見えるようにする技術です。ボリュームを増やすことなく、ふっくらとした印象を与えられるため、自然な唇の形を保ちながら控えめで効果的な調和を実現します。

これら3つの技術は、それぞれ異なる形で唇と顔の調和に影響を与えます。Cherry lipsは中央のふっくら感を強調し、Russian lipsとLip flipはボリュームと形のバランスを、より自然な方向から整えます。いずれの方法も、施術を受ける人の顔の骨格や形状に合わせ、全体の比率を尊重しながら行うことが、美しい仕上がりを維持するために重要です。

フィラー過剰注入の落とし穴と適切な対処法

執筆者：Dr Martine BASPEYRAS（皮膚科医 フランス皮膚科学会 会長／ボルドー）

顔のフィラー（充填剤）施術は、若々しく健康的で、疲れのない印象を取り戻し、維持することを可能にします。しかし、過剰な施術によって、顔がむくんだように膨らみ、丸みを帯びすぎたり、本来の個性が失われたり、場合によってはショッキングで漫画的な印象になってしまうことがあります。

「過剰充填」の流行は、SNSやセルフィー（自撮り）、そして自己アイデンティティの追求によって加速しています。こうした過剰施術に対して、施術者は制止し、修正し、安心感を与える役割を担います。この現象は世界中で見られ、特にアジア諸国では、西洋的な顔立ちを求めた結果、過剰注入が行われるケースもあります。

過剰ボリュームを減らす方法

まずは現状を分析し、何が起きているのかを理解することが重要です。多くの場合、過剰なボリュームは目の下、口元、または頬に現れます。対処法としては、手による押し出し、ヒアルロニダーゼによる分解、脂肪吸引、バッカルファット除去（頬脂肪摘出）など、さまざまな方法があります。問題の部位や状態に応じて、最適な技術を選択する必要があります。

フランス流の自然な仕上がりを守る

私たちは、フランスらしい特徴である控えめな注入を維持しつつ、他の施術法と組み合わせ、個々に合わせた治療計画を立てることができます。これにより、「フランスらしい」調和の取れた美しい顔立ちを実現することが可能です。

Lazeoが進める美容医療と長期脱毛市場の再構築

2024年5月24日にフランスで公布された政令第2024-470号は、治療目的ではないレーザー脱毛およびIPL（強力パルスライト）脱毛の施術を規制することを目的としています。これを受け、150拠点を展開するLazeoグループ代表のDr Bernard Sillamは、自社のサービス体系を再構築する決断をしました。

レーザー脱毛の需要は年々増加しています。この市場をより適切に管理するため、制度改正が行われました。政令の公布により、レーザー脱毛やIPL脱毛は、適切な研修を受けた看護師や美容施術者も実施できるようになりました。これにより、レーザー脱毛は医療行為とは見なされなくなりました。

Lazeo Medicalによるセンター再編

市場規制の強化とフランス医師会の勧告を踏まえ、Lazeoは患者の多様なニーズにより的確に対応するため、センターの再編を実施しました。現在、Lazeoはフランス全土の中都市・大都市に150のセンターを展開しています。2025年1月からは、センターを2つの形態に分けています。

• Lazeo Medical：医療目的の施術のみを提供（アンチエイジング注射、医療用クライオリポライシス、植毛、タトゥー除去など）

• Lazeo：美容施術を提供（レーザー脱毛、Hydrafacial、マイクロニードリングなど）。これらは、Lazeoグループの研修機関「MAMAアカデミー」で専門教育を受けたスキンセラピストやレーザー施術者によって行われます。

2025年に30拠点のLazeo Medical開設を計画

150ある既存のLazeoセンターは、今後すべて美容施術専用施設として運営されます。Bernard Sillamは、まずパリおよびパリ近郊（パリ16区、2区、11区、ヴェルサイユ、ヴァル・ド・ヨーロッパ、ブローニュ＝ビヤンクール、セナール、サン＝ジェルマン＝アン＝レー）とリヨンに10拠点のLazeo Medicalを開設する計画を発表しました。さらに、2025年を通じて20拠点の追加開設を目指しています。

未来の再生医療 ― 肌本来の健康資本を取り戻すために

再生医療は、肌本来の健康資本を自然な方法で回復させることを目指す分野です。ASCEplusエクソソームは、この領域において革新的な進歩をもたらす存在として注目されています。

エクソソームは、タンパク質、脂質、核酸、成長因子など多様な分子を運ぶ天然の細胞間メッセンジャーです。細胞間コミュニケーションにおいて重要な役割を果たし、免疫、炎症の調整、細胞増殖、シグナル伝達など、複数の生物学的プロセスに関与しています。

世界的リーダーであるExoCoBio社の研究によれば、ダマスクローズ由来の幹細胞から得られるエクソソームには、修復作用と抗炎症作用があり、非侵襲的かつ再生的な美容治療に新たな可能性をもたらすことが示されています。フランスでもついに入手可能となり、ASCEplusエクソソーム（ExoCoBio社製）は、革新的なRF（ラジオ波）機器を開発するInmode社によって提供されています。

ASCEplusエクソソームがもたらす美容医療の新時代

ASCEplusエクソソームは、肌の再生、抗炎症作用、バリア機能の改善を同時に実現します。活性分子を届け、自然な修復メカニズムを刺激する能力により、アンチエイジング領域で重要な進歩とみなされています。豊富な成長因子、タンパク質、mRNAやmiRNAを含み、細胞再生を促し、組織修復や老化サインの軽減を可能にします。また、線維芽細胞を刺激してコラーゲンを生成し、血管新生を促進、ケラチノサイトを活性化して毛髪の生成を高めます。

ASCEplusエクソソームの独自性

ダマスクローズ幹細胞由来のエクソソームと有効成分を組み合わせ、特許技術ExoSCRTで開発されたASCEplusは、新世代の再生・アンチエイジング療法です。作用機序は、表皮から真皮まで各層のニーズに応じて再生環境を整え、損傷組織の修復と健康な細胞生成を促進します。

3段階の作用

• 表皮：バリア機能を改善し、健やかな肌環境を再構築

• 真皮：コラーゲンとエラスチンの生成を増加

• 皮下組織：組織を引き締め、弾力を向上

これにより、肌のターンオーバーを正常化し、質感向上とバリア機能強化を実現します。

美容医療での活用と効果

• 肌の若返り

• 傷跡や皮膚損傷の修復

• フェイスコントゥアリングやリモデリング施術の補助

• 色素沈着の改善

さらに有望な応用として、毛髪再生があります。エクソソームは毛包の再生を促し、非侵襲的な薄毛治療の選択肢を提供します。

プロトコル

ASCEplusは、RFマイクロニードル、マイクロニードリング、レーザー施術後に用いる外用ソリューションです。LEDやソノフォレーシスを併用することで浸透性が高まり、肌の鎮静効果も得られます。

• 回数：15日～1か月間隔で3～5回

• 効果発現：施術後2～3日で実感可能

• メンテナンス：6か月～12か月ごとに推奨

• 施術時間：30～45分

• 料金目安：1回あたり450〜1000ユーロ（顔、手、首、デコルテ、頭皮など部位による）

結論

ASCEplusエクソソームは、美容医療における真の革命です。その再生能力と細胞修復機能の刺激作用により、肌の質向上、ニキビ跡の軽減、毛髪の成長促進といった多岐にわたる効果をもたらします。