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肥満の原因、一番は食品の価格低下

肥満の原因は、甘い物の摂りすぎやファストフード、運動不足やストレスなどではなく、食品価格が下がったからという仮説が5月22日、「CA: Cancer Journal for Clinicians」オンライン版に掲載された。

人口の3分の2が太りすぎというアメリカでは、肥満研究が盛んで、甘いスナック、ファストフード、テレビの見すぎ(カウチポテトなど)、コンピュータの使用、運動不足などが肥満の原因として非難されてきた。しかし、ランド研究所のRoland Sturm氏および米国イリノイ大学のRuopeng An氏らによる研究では、これまでの「肥満の原因」を詳細に検討した結果、その非難がいわれのないものだということを発見した。

この研究によると、アメリカの肥満率の上昇は、余暇時間の増加、果物や野菜の摂取機会の増加、運動の増加と一致していることがわかった。時間をかけて運動し、果物や野菜を積極的に摂ると肥満になることに疑問を感じた研究者らは、さらに調査を進めた。その結果、安い食品が入手できることと、肥満のまん延が強く関連していることをつきとめた。現在アメリカでは、可処分所得に占める食費の割合は10%である。この割合は、1930年代には25%、1950年代には20%で、年々減少していることがわかる。食品全体の価格は以前ほど高くないばかりでなく、果物や野菜といった「健康的な」食品も手に入りやすくなり、1970年代と比べ5分の1となった。

1日の運動や身体活動は、2003年に比べ、2012年では平均4分増加した。しかし、睡眠時間は10分、テレビの視聴は15分増加していたため、運動の増加と肥満の関係には「さらなるデータが必要」としている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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