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扁桃腺手術は乳がんのリスクか?

台湾での扁桃摘出術とがんの関連を調査した研究が8月7日、「The Laryngoscope」オンライン版に掲載された。

2000-05年に扁桃摘出手術を受けた997人と、扁桃摘出手術を受けていない比較対照の3988人の、がん発症率を推算した。

その結果、がんの発症率は扁桃摘出手術を受けたグループで高く1000人年当たり4.28。対照グループでは2.97だった。しかし、この有意差は手術後3年以上追跡した患者に限られていた。がんの発症部位と扁桃摘出には関連はなかった。しかし、追跡3年以上の患者では乳がん発症のリスクがわずかながら有意に増加していた。

扁桃腺が腫れて頻繁に熱を出したり、睡眠時無呼吸症候群の原因となったりと、小児でも扁桃摘出術を受ける患者は多い。
日本で、乳がんと診断される女性は年間4万人。早期発見で治療が可能ながんとはいえ、QOL(生活の質)を著しく落とす疾患には違いない。また、 女優のアンジェリーナ・ジョリーが予防のために乳房切除を行った遺伝性乳がんなども話題となった。今回の研究は対象者が少なく、台湾のみという限られた地域での研究であるため、今後の研究の広がりが待たれる。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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