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仏ロクシタン、ブラジルでの成功の秘訣

企業が新しい市場に参入するには、小売業、経済状況の判断みならずその国の消費者のニーズを認識する必要があるのは周知の事実だが、ビューティ産業の最近の事例としてフランスを拠点に世界展開しているロクシタンが注目されている。

ロクシタンのブラジルでの戦略を市場調査会社ユーロモニター・インターナショナルのアナリストはYouTubeで8月7日、分析した。これによると、ロクシタンは90年代後半からブラジルの消費者が海外のプレミアムメーカー、ナチュラル成分などに関心が高いことに着眼してブラジルでの消費者層の裾野開拓に成功した。

フリースタンドの店舗数拡大にあたっては、設備投資と同様に地元の従業員の教育システムに投資して顧客サービスの充実を重要視させた。ブランドの認知後が上がった時期をみて、2013年には、「L’Occitane au Bresil」というブラジルの製品ラインの販売を開始した。この背景には、ブラジルの高い輸入税を回避する目的があったとの指摘が加わる。フランスで生産されたロクシタンの製品と比較するとおおよそ30%も価格を抑えることが可能となり、ブラジスの消費者に高品質な製品をより手頃な価格で提供するビジネス戦略に切り替えた。

ロクシタンのホームページでは 「L’Occitane au Bresil」はブラジルの地元の生産者と持続可能な方法でブラジルの生産群から研究開発したユニークなブランドと説明している。パッケージのデザインはブラジルのアーティスト Olivier Baussan氏とのコラボレーションを通じて考案。ブラジルの消費者のために新しく立ち上げた製品ラインであるが、現在ではオンラインサイトで北米、イギリスの消費者にブラジルで生まれた製品を提供している。

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ヴァレリー・康子

顧問記者(国際ビジネス、マーケティング)

Yasuko Valery/早稲田大学大学院卒。英インデペンデント新聞社東京支局オフィスマネージャーを経て、日本経済新聞社ロサンゼルス支局で米国西海岸の流通、産業分野を専門に記者経験を積む。本紙では主に、米国欧州の海外メーカー、ブランドの動向、海外市場の動向、新規ビジネスモデルなどを担当。現在はロンドンに在住

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