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アジア、ヒスパニック系女性の間で皮膚がんの発症率が増加

アメリカでは白人男性の皮膚がんの発症リスクが高いという検証データがあるが、このほど、ヒスパニック、アジア系アメリカ人の間では女性の皮膚がんの発症率が上昇しているという研究発表があった。American Academy of Dermatology(アメリカ皮膚科アカデミー)の第73回年次総会がサンフランシスコで3月20日に開催され、カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部皮膚科学科の臨床准教授Arisa Ortiz博士がリサーチ結果を報告した。

Ortiz博士の研究グループは、悪性の黒色腫と区別し、顔、耳、首、唇、手の背面で日光にさらされた皮膚上に発症するがん細胞の一種である非黒色腫の患者4,000以上の症例を検証した。非黒色腫は転移することは稀であると考えられる腫瘍で、治療方法としては病理を外科的に除去することが一般的とされる。9割以上は白人が発症しており、その内、白人男性は64%の発症率で平均年齢は66歳だった。少数派とはいえ、ヒスパニック、アジア系アメリカ人での非黒色腫の発症患者を調べると、白人グループと逆転して約3分の2の割合で女性の発症率が高かった。ヒスパニック系女性の患者の平均年齢は62歳でアジア系女性患者の平均年齢は70歳だった。

Ortiz博士は、ヒスパニック系、アジア系アメリカ人の人口増加を考慮しつつ、よりダークな色の皮膚は皮膚がんから保護するという誤った概念をもっている危険性があるのではないかと言及する。 Journal JAMA Dermatologyの2013年の統計では、過去20年間にヒスパニック系アメリカ人の間で 黒色腫の発症率が19%増加している。直射日光から皮膚を守ることや、紫外線対策は人種を問わず、必要不可欠となってきているのだろう。

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ヴァレリー・康子

顧問記者(国際ビジネス、マーケティング)

Yasuko Valery/早稲田大学大学院卒。英インデペンデント新聞社東京支局オフィスマネージャーを経て、日本経済新聞社ロサンゼルス支局で米国西海岸の流通、産業分野を専門に記者経験を積む。本紙では主に、米国欧州の海外メーカー、ブランドの動向、海外市場の動向、新規ビジネスモデルなどを担当。現在はロンドンに在住

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