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レチノールとレチノイン酸 どちらもアンチエイジングに効果

レチノールとレチノイン酸の効果の比較研究の結果が11月18日、「Journal of Cosmetic Dermatology」オンライン版に掲載された。

オールトランスレチノール(レチノール)は、レチノイン酸の前駆体。アンチエイジング効果があるとして、広く化粧品などに利用されている。レチノイン酸は、これよりさらに大きなアンチエイジング効果を提供すると考えられているが、その効果を比較した研究はこれまであまりなかった。今回の研究では、肌構造や皮膚の機能に関連する遺伝子やタンパク質の発現に対してのレチノールとレチノイン酸の影響を比較。また、皮膚上でのレチノールの効果について検討した。

皮膚組織はH&E染色とin vivo共焦点顕微鏡で調査した。皮膚の遺伝子およびタンパク質発現レベルはRT-PCR法による検出と免疫組織化学染色により分析した。皮膚上におけるレチノール製剤の有効性は、デジタル画像に基づくしわ分析によって評価した。

4週間のレチノールとレチノイン酸による治療の結果、表皮の厚さの増加、コラーゲンⅠ型でアップレギュレートされた遺伝子が見られ、プロコラーゲンIおよびプロコラーゲンIIIタンパク質の発現はコラーゲンIII型で対応していた。皮膚上の有効性を検討した顔画像の分析では、レチノール治療の12週間後にしわの有意な減少が示された。研究者らは、レチノールとレチノイン酸のどちらも、皮膚への局所適応により表皮と真皮の両細胞都分子に独自の影響を与え、顔の老化防止効果が確認できたとしている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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