世界の美容とヘルスケアビジネス情報を配信

FEATURED

注目の企画

BUSINESS

日本未承認のニキビ治療薬イソトレチノインの調査

副作用が強いとされる難治性ニキビ治療薬のイソトレチノインに関する研究報告が12月2日、「JAMA Dermatology」オンライン版に掲載された。

アメリカでは難治性のニキビに対して使用されているイソトレチノイン(商品名:アキュテイン、ロアキュテインなど)は、重大な副作用の可能性があるため、医師の処方箋なしでは使用できない薬剤である。FDA(米国食品医薬品局)からも、インターネットや個人輸入などで入手することのないよう注意喚起を行っている。なお、イソトレチノインは日本では未承認薬である。

今回の研究は、116の試験から61データを評価対象とし、そのうち 26の研究(患者1574人)にメタ解析を実施したもの。患者は尋常性ざ瘡(ニキビ)の9~35歳、イソトレチノインの経口投与で、用量40 mg/dまたはそれ以上、少なくとも4週間の投与継続を受けていた。評価は脂質レベル、肝機能、全血球算定の検査値とした。

治療中の各データ平均値は
トリグリセリド 119.98mg/dL
総コレステロール 184.74mg/dL
LDLコレステロール 109.23mg/dL
HDLコレステロール 42.80mg/dL
白血球数 6890/μL
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ 22.67U/L
アラニンアミノトランスフェラーゼ 21.77U/L
アルカリホスファターゼ 88.35U/L

この結果、一部の患者では臨床検査値の異常が見られたものの、全体では高リスクへの変化を示す基準値を超えてはいなかった。研究者らは今回のデータから、経口イソトレチノイン標準用量での使用を監視するための、実験室でのテストを毎月実施するという必要性までは示していないとしている。

 

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

  • Byline
  • New

橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

  1. 男性・家族歴・重症度でニキビ瘢痕有病率に差異

  2. ニキビへの新技術Photopneumatic Technology

  3. 時間制限食とカロリー制限食の減量効果に差なし

RELATED

気になるなら一緒に読んでほしい関連記事

PAGE TOP