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原始人ダイエットで太ることも

数年前から欧米では人気があるという「原始人ダイエット(Paleo Diet)」。このダイエット法が、実は体重を増やす可能性があるという研究についてのプレスリリースが、2月18日にオーストラリアのメルボルン大学から出された。

旧石器時代(Paleo)の食生活に学ぼうというのが原始人ダイエットの基本的考え。加工食品は避け、出来るだけ自然の状態のものを食し、穀物や豆類は食べない(旧石器時代には農業はないため)という、低炭水化物・高脂肪の食事内容になりがちという。

同大学の研究者らはこの結果を、セレブが実行していることでマスコミに取り上げられ、現在では一般女性にも流行中のこのダイエットに潜む危険を警告するためにも「Nutrition and Diabetes」誌に発表したという。論文の筆頭著者Sof Andrikopoulos教授によると、すでに太りすぎで、運動をしない人々にとって、このダイエットは推奨されない。また、糖尿病(前糖尿病含む)の人には危険ですらあると述べている。

Andrikopoulos教授らのグループは、低炭水化物・高脂肪の食事が前糖尿病を持つ人々の健康に利益をもたらすかどうかを、マウスを使った試験で検討した。その結果、低炭水化物・高脂肪食のマウスは、8週間後に体重増加、耐糖能異常、インスリンレベルの上昇が見られた。体脂肪量はほぼ倍に増加した。急激な体重増加は、血圧上昇、不安やうつのリスク増加、骨への負担や関節炎を引き起こす可能性があるとしている。原始人ダイエットは特に太りすぎや糖尿病の人には勧められず、そのような人には地中海式ダイエットが最善であるともAndrikopoulos教授は述べている。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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