世界の美容とヘルスケアビジネス情報を配信

FEATURED

注目の企画

BUSINESS

ボツリヌス治療と不安・抑うつ症状の関連はないようだ

多汗症によるボツリヌス治療で不安や抑うつなどといった精神的な症状が見られるようになるかという仮説を検証した調査が2月15日、「The Journal of Dermatology」オンライン版に掲載された。

局所的多汗症(primary hyperhidrosis)は、人口の約3%に影響を及ぼしており、患者の生活の質を低下させる。局所的多汗症は命にかかわる物ではなく、精神的または患者の日常生活に障害をもたらすものである。多汗症に使用されるボツリヌス治療中の不安、抑うつ、アルコール過剰摂取についてはあまりよく知られていないため、今回の調査を実施することとした。

114人の局所的多汗症患者に対し、ボツリヌス治療前と治療2週間後にアンケートによる調査を実施した。実施された調査は、多汗症重症度スケール(HDSS)、視覚的アナログ尺度(VAS)による多汗症の10ポイントスケール、病院不安・抑うつ尺度(HADS)、アルコール使用障害識別テスト(AUDIT)、ショートフォームによる健康調査(SF-36)だった。

調査に参加した患者の多汗症発症年齢は平均13.4歳で、48%は遺伝によるものだった。腋窩および手掌多汗症患者では、治療後に平均HDSSスケール値、VAS10ポイントスケール、HADS、SF-36に有意な改善が見られた。参加者全員に平均AUDIT値の有意な改善は見られなかった。ボツリヌス治療による症状の改善は確認されたが、今回の患者群では不安、抑うつ、アルコール過剰摂取の兆候は見られなかった。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

  • Byline
  • New

橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

  1. 男性・家族歴・重症度でニキビ瘢痕有病率に差異

  2. ニキビへの新技術Photopneumatic Technology

  3. 時間制限食とカロリー制限食の減量効果に差なし

RELATED

気になるなら一緒に読んでほしい関連記事

PAGE TOP