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次世代肥満薬に有望な遺伝子組み換え大腸菌

遺伝子組み換えした微生物が腸内に抗肥満分子を作る可能性があることを3月22日、米国化学会がプレスリリースを発表した。この研究成果の詳細は、米国デンバーで開催されている第249回米国化学会学術大会で発表された。

肥満は心臓病、脳卒中、2型糖尿病および数種類の癌に強く関連性があり、リスクを増大させている。現在、3人のアメリカ人に1人は肥満で、この流れを食い止めるための努力はほとんど成功していない。抗肥満薬による体重減少はわずかで、多くの人はリバウンドを経験することになる。

今回の研究では、腸内にいる大腸菌にNEPEsを作成する遺伝子を組み込んだ。NEPEsは、腸内で食欲陽性作用があるとされているNAEsに変化する。マウスを使った実験では、この特別製の大腸菌入りの水を1回飲ませただけで、高脂肪食を与えたマウスでも長期にわたって肥満を予防する効果が確認されたという。その効果は、大腸菌入り水を飲ませなかったマウスとの比較で、体重増加は8週間で15%も少なく、最大12週間にわたって、体重は少ないままだった。また、肝臓グルコース代謝も良好だった。

次の抗肥満薬として腸内細菌に注目が集まっている。今回の研究成果について、研究者らは、特にNEPEsからNAEsへの変換がうまくできない人にとっては特に、この特別製の細菌が機能するだろうと述べている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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