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崩れるか、ビタミンD神話

ビタミンDは、健康上の問題に最適なソリューションではないかもしれないという研究成果が6月16日、カナダのアルバータ大学医科歯科学部から発表された。

ビタミンは健康に不可欠な栄養素だということは広く信じられている。多くの人々は、うつ病や多発性硬化症のような疾患の治療に効果があり、ビタミンDサプリメントでその摂取を補う必要があると信じている。同大学の家庭医学部の教授でエビデンスベースドメディシンのディレクターを務めるMichael Allan氏は、人々のその信仰の多くは科学では検証されないと述べている。「健康になる方法が毎日ビタミンを取ることだけだったら、安全で簡単だと思いませんか? それはシンプル。そして魅力的です。しかし、一般的な人には、必要ないものです」と Allan教授は述べている。

教授らのグループは、転倒や骨折の抑制、うつや精神的健康の改善、多発性硬化症の治療、関節リウマチの予防、がん発症と死亡率の低下など、一般的に信じられているビタミンDへの「信仰」について科学的に調査を行った。その結果、わずかな効果が示された。いくつかの「信仰」の中で最も科学的証拠が強かったのは、高齢者の転倒・骨折予防だったが、その影響は小さく、10年で骨折リスク15%という高リスク者が10年間ビタミンDサプリを飲んだとして、骨折約50回に1回が予防できるという程度のものだった。

健康は中程度という人がビタミンDサプリメントを飲んでも、効果はないが害もない。40歳の人がビタミンDの恩恵を受ける可能性はゼロとAllan教授は述べている。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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