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楊貴妃の愛した果物「ライチ」で中毒?

楊貴妃が愛した果物として有名な「ライチ(茘枝)」が、インドで発生した急性中毒の原因かもしれないという研究が2月3日、「Lancet Global Health」オンライン版に掲載された。

2014年、インド有数のライチの生産地として知られるムザファルプルで、死亡率の高い急性脳症が小児の間で流行した。390人の症例中122人(31%)が死亡した。症例104人と年齢をマッチさせた対照104人と比較することで急性脳症の原因とリスク因子を調査した。その結果、発症前24時間以内のライチ摂取および夕食抜きが、急性脳症発症と関連していた。夕食抜きでのライチ摂取は脳症発症と有意に関連した。感染性病原体および農薬に関する検査では問題はなかった。ライチに含まれる天然の毒性成分ヒポグリシンA、メチレンシクロプロピルグリシン、または両物質の代謝物が症例患者の尿検体73例中48例(66%)で検出されたが、対照15例では検出されなかった。症例患者の血液検体80例のうち72例(90%)で、患者の重度の脂肪酸代謝障害と一致する、血漿のアシルカルニチンプロファイルの異常が見られた。

今回の調査から、ムザファルプルにおける急性脳症の流行はヒポグリシンAおよびメチレンシクロプロピルグリシンの中毒に関連することが示唆された。急性脳症の発症と死亡を減らすために、ライチの摂取を最小限にして、必ず夕食を取り、急性脳症が疑われる際には直ちに血糖濃度をコントロールするよう研究者らは勧告している。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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