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健康な人にグルテンフリーダイエットは推奨しない

グルテンフリー食は心筋梗塞の発症を抑制しないという研究結果が5月9日、「BMJ」オンライン版に掲載された。小麦などに多く含まれるグルテンは、セリアック病患者にとっては小腸を損傷し、食物の消化吸収に障害をもたらす。また、炎症性疾患のセリアック病のグルテン摂取による悪化は、長期的な冠動脈疾患のリスクとなることが知られている。今回の研究では、セリアック病ではない健康な被験者にとってもグルテンフリーダイエットの冠動脈疾患発症の抑制効果が見られるかを調査したもの。

米国看護師健康調査の参加女性6万4714人と医療従事者追跡調査の参加男性4万5303人を対象に、長期グルテン摂取と冠動脈疾患(心筋梗塞)の関連を前向きコホート研究で検証。131項目にわたる半定量的食品頻度アンケートによる平均26年間の追跡調査を実施し、グルテン摂取量を推定した。既知の冠動脈疾患リスク因子で調整後、グルテン摂取量最低5分位群に対する最高5分位群の冠動脈疾患発症ハザード比は0.95(傾向P=0.29)で、長期のグルテン摂取と冠動脈疾患のリスクに関連は見られないとされた。

研究者らは「グルテンを避けることで健康に有益な全粒粉摂取を減少させ、むしろ心血管疾患リスクに繋がる可能性がある」とし、セリアック病のない人々へのグルテンフリー食は奨励されてはならないと述べている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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