ドラッグストア協会 新事務総長に今西氏、故・宗像イズムを継承

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2018.07.20

編集部

日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は7月20日、急逝した宗像守氏の後任の事務総長に今西信幸氏が就任したと発表した。就任に当たって、今西氏は「病気にならないためにドラッグストアに行く」ような大きな社会変革を起こしていく強い意気込みを示した。

今西氏は東京薬科大学を卒業後、東京医科大学に進学して医学博士号を取得しており、医薬両面に長けた稀有な人材。現在は医療経済学を専門としている。生前の宗像氏からは一目置かれ、2017年に一般財団法人 日本ヘルスケア協会の会長に就任した。母校の東京薬科大学理事長も務めたが、理事ポストなどを巡って現理事長との確執を経て2017年に退任。「ひと癖ある人でなければ、事務総長のポストは務まらない」(JACDS執行委員長の根津孝一氏)と評されての登板となった。

今西氏は、ドラッグストア10兆円産業化を見届けることができなかった宗像氏のために「(天国で)頂上を見せたい」と宗像DNAを引き継いで業界を引っ張っていく意気込みを示した。併せて、今西氏による新体制により、独自色を出せる仕事として“教育”を挙げた。到来しつつある予防医療の時代においては、薬剤師、栄養士、登録販売者の3者の活躍に期待を示し、「特に栄養士はエビデンスを持ってお客に対応できる人材に育てていく」(今西氏)ことが重要であると強調した。

JACDSが設立された19年前、ドラッグストア業界では薬剤師不在によりOTCが販売できないことが大きな課題に上っていた。そこで、宗像氏が「ほとんど一人で」(根津氏)国・行政などを動かして、2009年に登録販売者制度の開始を成し遂げた。このことは、業界全体が大きく飛躍できるようになった大きな功績の一つとして数えられる。当時、厚生労働省にいたJACDS専務理事の中澤一隆氏は「ドラッグストア業界の大きな成長の原動力になった」と振り返る。

今後、業界のかじ取りを任されることになった今西氏は同日、「日本薬局学会の理事長、評議員を辞任し承認された」ことを明かし、宗像イズムを引き継いでドラッグストア業界けん引に専念していく覚悟を決めた。

しかし、宗像氏の急逝は業界にとって打撃は大きい。「あれだけの見識・知識をもって行動できる人は他にいない。誰も彼のマネはできない」(根津氏)というほど存在感は大きかった。今西氏が業界の新たな求心力となりうるのか。周辺のサポートを得ながら立て直しを図っていくことが必要となろう。宗像氏を失ったからと言って「業界に停滞があってはならない」(JACDS副会長の池野隆光氏)。今西氏の力量がこれから試される。

参考リンク
日本チェーンドラッグストア協会

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