美容師の独立がグローバル市場で増加傾向に
2018.08.8
国際部
グローバル市場でスタイリストのヘアサロンからの独立が増加しているようだ。市場調査会社クライングループが最近リリースした「Salon Hair Care Global Series」の中で、このような傾向を明らかにした。モバイルアプリ、ソーシャルメディアなどの急速な浸透で多くの美容師がサロンに所属しない傾向があるという。
店舗経営者からブースを借りで独自営業したり、自宅でサービスを提供したり、出張サービスを提供したりとビジネスモデルが多様化している実態を明らかにした。このような動向が、ヘアサロン産業に与える影響について公式サイトのブログ(8月2日付)で3点を次のように分析している。同社は、アメリカ、イギリス、ドイツ、ロシア、ブラジルの5カ国で独立したヘアスタイリストの調査を実施しており2019年の第1四半期に有料レポート『Independent Stylists: Global Market Brief, in which we survey hundreds of booth renters, mobile hairdressers, and at-home hairdressers located across five countries: Brazil, Germany, Russia, the United Kingdom, and the United States』をリリースする予定。
低価格ブランドやプライベートラベルの開発の活発化
独立したスタイリストの動向がすべてのグローバル市場で重要になってきているわけではないが、調査対象の国の中で低価格ブランド、プライベートラベルの開発が活発になっているケースがある。ロシアでは移動美容師の増加でロシア国内メーカー Kapous Cosmetics社が開発した低価格ブランド『 Studio Professional』、『Kapous Professional』の売上が増加。ドイツでは、ここ数年、ディストリビューターのプライベートラベル開発が注目されており、独立したスタイリストによって積極的に購入されている。
在庫管理のリミット
独立したスタイリストは、スペースとリソースに限りがあり、顧客のホームケア用にサロンケア製品の在庫を持つことが難しいことが多い。大手アマゾンが販売モデルを最近テストしている例として、スタイリストは在庫を持たない代わりに、顧客が商品を注文してスタイリストの名前を指定すると、スタイリストはアマゾンから手数料を受け取るシステムを挙げている。多様な販促モデルが検討されている。
小売専門店の重要性
独立したスタイルストは正規のサロンアカウントと比較して注文が少ないため、メーカーが独立したスタイリストに直接販売する可能性は低くなる。消費者が化粧品小売専門店などのサプライチェーンでサロンヘアケア製品を購入する頻度は増加すると予測される。イギリスで大手化粧品小売チェーンのSally Beautyは国内の新しい地域での開店を積極的に続けているという。