資生堂、化粧品に対する気持ちの変化を脳科学研究で解明

最新商品

2018.08.7

編集部

株式会社資生堂(東京都中央区)はこのほど、愛用している化粧品に対する脳活動と、家族や恋人などの大切なパートナーに対する脳活動との間に共通性を見出したと発表した。「モノ」に対する気持ちの変化をfMRI(functional magnetic resonance imaging:機能的磁気共鳴画像法)を用いた脳科学の手法で解明したのは初めて。

大切なパートナーに対しては、その関係の期間や段階によって、異なる脳活動が関与することが知られている。そこで同社は、パートナーに対する脳科学研究を行っている首都大学東京の研究チームと共同で、対人関係の研究手法を、愛用する化粧品という「モノ」に対する気持ちの理解に応用した研究を行った。

そこで、化粧品の初期・長期の使用に関する2つのfMRI実験から、それぞれ異なる対人関係状態に見られる脳活動と類似する脳活動を確認した。

6週間使用して気に入っている化粧品に対しては、初期の恋愛関係と共通して、報酬系と呼ばれる、ひとの快情動に関わる領域や、さまざまな感情機能にも関わる内受容系の領域の脳活動が認められ、親密な対人関係を作り上げていく段階と類似していることがわかった。

一方、何度もリピート購入して使用している化粧品に対しては、報酬系の脳活動に加えて、ひとの精神的な安定や絆、母性愛にも関与することが知られるセロトニンやオキシトシンなどのホルモンの分泌に関わる脳幹の内分泌系の領域において、長期的で安定した愛情関係と共通する脳活動が確認された。

以上のような、大切なパートナーに対する脳活動との類似性から、化粧品に対する愛用意識が安心感や癒しなど、ひとの心の充足につながる可能性を見出した。これらの知見は、今後の化粧品開発や新分野へ応用していく予定だ。

今回の研究は、第43回日本香粧品学会(6月29日~30日開催)で発表した。

参考リンク
株式会社資生堂

#

↑