カネカ26年度売上高6300億円目標、M&Aでライフサイエンス強化

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2013.08.2

編集部

カネカは、2012年度から2014年度までの3ヵ年中期経営計画を策定し、推進中。同3ヵ年計画は、健康、食料生産支援、環境・エネルギー、情報通信の4分野で事業を強化し、26年度に売上高6300億円(連結)を目指す。4分野の中で、健康のジャンルに位置付け医療機器やサプリメント原料、医薬品の中間体販売などを行うライフサイエンス事業部門については、新製品の投入などで今期(2014年3月期)580億円の売り上げを計画。今後、バイオ医薬品、再生医療の研究開発を促進し、ライフサイエンス事業部門の収益拡大に繋げる。

同社は、新中期計画「New ACT2014」は、4分野を重点戦略分野に位置付け(1)研究開発型企業への進化(2)グローバル市場での成長促進(3)グループ戦略の展開(4)アライアンスの促進(5)CSRの推進などを図り3ヵ年の最終年度までに直近の売上高(2013年3月期売上高5300億円)に比べて1000億円増の6300億円を目指す。

この中でライフサイエンス事業部門の事業展開が注目される。同部門は現在、皮膚灌流圧測定機器(医療検査機器)や血液浄化システム、幹細胞分離デバイス、細胞培養機器などの理化学機器、サプリメント(コエンザイムQ10)の原料、医薬品中間体などの販売を行い前期(2013年3月期)471億円の売り上げベースにある。今期(2014年3月期)は、今年5月に市場投入した検体から遺伝子を抽出できる「リボ核酸(RNA)抽出キット」をはじめ2012年に販売した遺伝子の有無を目視判定できる「核酸クロマト型チップ」や検体から遺伝子を抽出する「簡便DNA抽出キット」、抽出した遺伝子を迅速に増幅する「高速増幅用DNAポリメラ―ゼ」などの遺伝子関連製品の販売を強化して遺伝子検査診断事業の領域を確立し、ライフサイエンス事業部門の売り上げを580億円に持って行く計画。

一方、同社は、国内外でM&A(企業の吸収・合併)を展開し、バイオ医薬品、再製医療の研究開発を強化している。2009年から2013年の5年間で、実施した主なM&A件数は、合弁会社設立を合わせて5件(表)にのぼる。いずれもバイオ医薬品、医療機器の研究開発に拍車をかけ将来、健康領域に位置付けるライフサイエンス事業部門の収益向上に繋げる狙い。

カネカのM&A案件

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