マンダム、皮膚浸透性が高い微細カプセル開発に成功
2019.02.12
編集部
株式会社マンダム(大阪府大阪市)は、より機能性の高いスキンケア製品の開発を目指してカプセル製剤の研究を行う中で、従来型カプセル製剤よりも微細なカプセル製剤「バイセル」を作成することに成功し、皮膚浸透性が高いことも確認したと発表した。
従来、化粧品分野において研究されているカプセル製剤にはリポソームがある。
リポソームはリン脂質を主な成分として構成する二分子膜が、放射状に幾重にも重なって球体となったような構造をしており、大きさは約100nm(ナノメートル)~数百nmだ。一方、バイセルも同じくリン脂質を主な成分とし、二分子膜でできたディスクが重なって球体となったような構造をしており、大きさは数nm~数十nmで、脂質二分子膜構造を持つカプセル製剤の中では最小サイズと考えられている。
バイセルは、これまで主に新薬の薬物活性や毒性、さらには薬物動態を解明するために生体膜モデルとして利用されており、化粧品分野において皮膚浸透機能に着目した研究は多くなかった。
バイセルは異なる2種類のリン脂質を用いるのが一般的だが、今回、リン脂質の中でも化粧品に使用可能な成分と、数種類の両親媒性成分を組み合わせることで、化粧品に応用できるバイセルを作成することに成功した。
さらに、バイセルの皮膚浸透性を明らかにすることを目的に、ヒト皮膚にてリポソームと比較評価した結果、バイセルはリポソームよりも皮膚浸透速度が速いことを見出した。
今回のバイセル技術を応用したモデル美容液をヒト皮膚に用いて皮膚浸透試験を行った結果、モデル美容液が角質層の奥深くまで浸透していることがわかった。
同社は、今回開発したバイセル技術を、皮膚浸透性に優れたスキンケア製品の開発に応用していくとしている。
- 参考リンク
- 株式会社マンダム